
こんにちは。管理栄養士の宮野です。
先日、友人からこんな相談を受けました。
「最近お腹にガスがたまっているのか、おならが多くて、しかも臭いがきついんだよね……」
本人も思い当たる節があるようで、生活習慣の乱れだろうと話していて、野菜を多く取るようにしてみると言っていました。
お腹の調子が優れないときは、腸内環境を整えるために食物繊維の多い野菜を取る意識を持つ方も多いと思いますし、それも間違いではありません。
しかし、お腹の調子が優れない原因は「野菜不足」だけではないかもしれません。
お腹の調子が気になるという方は、今回の記事を参考にしてください!
食べていた食品を振り返ろう
友人にお腹の調子が悪くなった、ここ最近の食事を聞いてみるとよく食べていた食品がいくつかありました。
肉類のおかず
玉ねぎ
にんにく
ブロッコリー
炭酸飲料
アルコール飲料
ミントタブレット
これらの食品のなかでガスを発生させたり、おならの臭いをきつくさせる食品があります。
皆さんは何だかわかりますか?
答えはすべてです。
ガスがたまりやすい、お腹の調子が悪い方で、これらの食品を頻繁に食べていたら注意したほうが良いかもしれません。
臭いの強いおなら、おならの回数が増える食事とは?
ブロッコリーだけでなく、キャベツや菜の花などのアブラナ科の野菜には、硫黄化合物の一種であるイソチオシアネートを含みます。
イソチオシアネートは抗酸化作用やがん予防効果が期待されるなど良い機能性がある一方で、硫黄化合物を含む食べ物は、硫黄臭いおならや口臭の原因となります。
同じくにんにくや玉ねぎにも、アリシン等の硫黄化合物が含まれます。
また、肉、魚、卵など動物性の食品はたんぱく質が豊富に含まれている良い面がある一方、過剰に摂取すると、体内で悪玉菌が増える原因となります。
悪玉菌が増えると、おならの臭いがきつくなるだけでなく便秘や下痢、肌荒れなどの原因にもつながります。
ビールなどのアルコール飲料や炭酸飲料には、二酸化炭素が含まれ体内でガスを発生させるのでおならが増える原因とされています。
ミントタブレットなどをお口直しや眠気覚ましに使っている方も多いと思います。
こうしたタブレットには、ソルビトールなどの糖アルコールが含まれていることがあります。
安全性は高いとされていますが、食べ過ぎると腸内でガスが発生しやすくなり、おならが増えてしまいます。
自分が口にしたものを振り返り、前述した食品や飲料の摂取量が「ちょっと多かったかな?」と感じたら、量を調整しましょう。
食事の背景もあわせて振り返ろう!
今回は友人からの相談でおならの臭いが強くなった原因やおならが増えた原因について食事をもとに原因を考えてみました。
友人の食生活が偏っていた背景には、仕事による疲労が大きく影響していたようです。
疲労感が強まるにつれ、以下のような傾向が見られていたようです。
• 肉類やボリュームのある料理を欲するようになった
• 飲酒量が増加した
• エナジードリンクの摂取頻度が高まった
• 眠気対策としてミントタブレットを多く摂取するようになった
これらの変化は、心身の疲れを補おうとする自然な反応とも言えますが、今回のようなおならの臭いや増加だけでなく、長期的には健康への影響も懸念されます。
何となく感じる不調が、心身の大きな不調を食い止めるカギにもなるかもしれません。
忙しい日々の中で、食習慣の変化に気づくのは簡単ではありません。
だからこそ、日々簡単な日記をつけたり、週に1回、月に1回定期的にセルフチェックをしたりして、自分の「疲れのサイン」に耳を傾ける時間を持つようにこころがけてみてはいかがでしょうか?
<参考>
厚生労働省「食品添加物」※2025年8月19日時点