年間100人以上指導する管理栄養士が答えます!ダイエット方法や運動についてのあれこれ

皆さんこんにちは。
産業保健新聞運営元のドクタートラスト管理栄養士、小林です。
普段、特定保健指導や検診事後措置面談に携わっているなかで、対象者の方からよくいただく質問に回答していきます。

○○ダイエットって効果ありますか?

最近メディアなどでもダイエットの方法が色々と紹介されていますよね。
そのなかで「効果はあるのか?」「健康に問題は無いのか?」といった疑問を持ったことがある方も多いと思います。

Q.糖質制限ダイエットって効果ありますか?

A.
糖質制限ダイエットとは、糖質を多く含む主食(ご飯やパン、麺類など)やお菓子などの甘いものを制限する減量方法です。実際に取り組んだことがある方も多いのではないでしょうか?

結論、糖質の摂取量を減らすことは体重減少に効果があります。
しかし、糖質は脳の貴重なエネルギー源ですので、極端に制限してしまうと集中力や思考力の低下などにつながります。
血糖値の数値が基準値以下の方、もしくは元々の食事のなかで糖質量が多い方でなければ、糖質を極端に制限するのではなく食事全体のカロリーをバランスよく減らすほうがおすすめです。(※糖尿病の治療中の方は医師の指示に従ってください)

また、ご飯を減らした結果、「おかずでお腹を満たそう」とお肉などのおかずの量が増えることで、脂質の摂取量が増えてコレステロールの値が悪化する可能性も考えられます。
ご自身の生活習慣を振り返りつつ、摂取量の多いものを適切に減らすことを意識してみてください。

Q.16時間ダイエットって効果ありますか?

A.
16時間ダイエットとは、1日の中で食事をとる時間を8時間以内におさめ、残りの16時間は何も食べない方法です。

限られた時間の中での食事になるため、食事の回数や全体的な量が減り、摂取カロリーを減らせるという利点があります。
ただし、同じ摂取カロリーの条件下で、食事をとる時間に制限を設けた場合とそう出ない場合では特に体重の変化に差はないことが明らかになっています。
「8時間の中でならいくらでも食べていい」という認識をしてしまうと減量の効果が期待できないので注意してくださいね。

また、夜、もしくは夕方の食事から次の日の食事までの時間が空くことで、食後の血糖値が急上昇しやすくなるという懸念もあります。
健康診断の結果で血糖値の数値が基準値以上だった方は、減量中でも食事と食事の間隔を開けすぎないようにする(目安は4~6時間)ことも重要です。

運動って実際どうですか?

なんとなく運動が重要なのはわかっているけど、「ハードルが高くてなかなか取り組めない……」という方も多いのではないでしょうか。
また、「本当に運動って効果があるの?」「どんな運動がいいの?」などの質問もよくいただきます。

Q.有酸素運動と筋トレってどっちがオススメですか?

A.
減量が目的の場合は有酸素運動がオススメです。
筋トレなどの無酸素運動と比較し、歩く・走るなどの有酸素運動は同じ時間でより多くカロリーを消費することができます。

一方、筋力をアップさせたい、代謝を上げたい方は筋トレがオススメです。
並行して行えるとさらに理想ですが、歩く時間を増やす、階段を使うなどの有酸素運動をコツコツ積み重ねることも減量をすすめていくうえでのポイントの一つです。

Q.運動しないと痩せませんか?

A.
食事量を減らすだけでもある程度は痩せられます。
ただし、急激な食事制限は筋肉も減らしてしまうため、長期間行うと代謝が悪く痩せにくい体になってしまいます。
また、極端な制限は長続きしにくいので、ゆるやか食事制限と運動を同時に行うことで、継続的なダイエットが可能になり、より高い効果が期待できるでしょう。

特に、「食事ではすでに色々気をつけている」「停滞期に陥った」なんて方は運動もプラスするのがオススメです。
ただし、無理にハードな運動に取り組んで怪我をしないよう、ご自身の体調などに合わせて進めてみてください。

まとめ

保健指導のなかでよくいただく質問について、解説しました。
やはり、確実で効果的な減量方法は「食事改善」と「運動」をご自身の無理ない範囲で実践していただくことです。
ぜひ、本記事を参考にメタボ改善や生活習慣の改善に取り組んでください。

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小林 彩実株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

大学で栄養学や食物学を学び、管理栄養士の資格を取得。「多忙な人にも健康を意識してほしい」の想いから産業保健業界へ。食事はもちろん、ながら運動やインナーマッスルトレーニングなど、運動セミナーも多数実施している。正しい知識をわかりやすく具体的に伝える姿勢が人気。
このほか、特定保健指導や執筆にも広く携わる。
【保有資格】管理栄養士、第一種衛生管理者、健康運動実践指導者、人間ドック健診情報管理指導士、健康経営エキスパートアドバイザー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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