皆さんは「感染症対応力向上プロジェクト」をご存知でしょうか?
2020年ごろから新型コロナウイルスの感染が拡大し、会社内での感染症対策を行う企業も多くなったと思いますが、この「感染症対応力向上プロジェクト」はインフルエンザ・ノロウイルス・風疹といったあらゆる感染症対策を支援する取り組みになります。
今回は「感染症対応力向上プロジェクト」の内容やメリットなどを解説します。
「感染症対応力向上プロジェクト」の特徴
「感染症対応力向上プロジェクト」の一番大きな特徴は、東京都・東京商工会議所・東京都医師会が連携し、それぞれの強みを生かしながら企業の支援を行うことです。
各団体が行う支援は具体的に以下のとおりです。
東京商工会議所
・ 相談や支援に対するフォロー
・ 事業の周知(経営戦略上のメリットをアピール)
東京都医師会
・ 予防接種等の協力医療機関の確保
・ 産業医や地域産業保健センターの協力態勢の確保
地域産業保健センターとは、労働者数が50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に対して、健康相談や産業保健指導といったサービスを無料で提供している団体です。
東京都
・ 取組コース設定や教材作成・提供
・ 参画企業を東京都のHPにて公表、取組をPR
企業が取り組むコースについて
支援を受ける企業側は、提供される難易度の異なる3つのコース(コースⅠ~コースⅢ)から企業の実情に合ったコースを選択することができます。
コースⅠ「感染症理解のための従業者研修」
従業員が教材配布(紙・電子媒体から選択可能)またはeラーニングにて研修を行い、その後必須項目27問、選択項目30問で構成されたテキストを解く形式です。
必須項目は感染症の基礎知識からインフルエンザ・風しんなどの代表的な感染症に関する問題、選択項目は結核やデング熱、海外渡航に関する問題で構成されており、職場に応じた項目を受講していただくことで感染症の知識を理解できます。
コースⅡ「感染症BCP(業務継続計画)の作成」
作成ガイドやひな形をもとに、感染症発生時でも業務を継続するためのガイドライン「感染症BCP」を作成する形式です。
ひな形は全部で5つの章から構成されており、1章から目標や目的、前提事項の整理、感染症発生前と発生後の取り組み、BCPの見直しのルールとなっています。
また、作成が困難と考えている企業には作成オリエンテーションを月に1回無料で開催しているので、こちらを利用してみるのも良いでしょう。
コースⅢ「風しん予防対策の推進」
社内で風しんの予防接種を行っていない従業員に対して受診の促進をして、職場内の抗体保有率9割を目指す形式です。
風しんの場合、抗体保有者が集団の9割を占めると感染拡大を阻止することができるため、このような設定となっています。
また、予防接種実施までの流れは下記のとおりです。
① 教材の「風しん対策実施アンケート」を用いて抗体の有無を調査
② アンケート結果を教材の「従業員名簿兼報告書」に転記する
③ 抗体の有無が不明瞭な従業員に対して検査を促す
④ 免疫を持っていない従業員に対して検査を促す
⑤ 予防接種の実施
さいごに
新型コロナウイルスのまん延により、感染症の恐ろしさについて再認識した方も多いのではないでしょうか。
社内で集団感染が発生した場合、数日間の業務停止や業績の低下などあらゆる問題が起こる可能性があります。
そうならないためにも、さまざまなサービスを利用して最善の策を講じることでダメージを最小限にすることができると思います。
その手段の一つとして、今回ご紹介した「感染症対応力向上プロジェクト」の活用をご検討ください!