139カ国中、日本は132位。
一体何のランキングかご存知でしょうか?
これは、米国のギャラップ社が実施している「エンゲージメント・サーベイ」という調査です。
「エンゲージメント・サーベイ」とは、組織のエンゲージメント、つまり社員の職場幸福度や仕事への貢献意欲を測ることができるツールで、その調査によれば世界139カ国中、日本は132位と散々な結果であることがわかります。
「エンゲージメント・サーベイ」調査結果
この調査では、回答者を「熱意あふれる社員」「やる気のない社員」「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の3つに分け、その割合を発表しました。
<世界平均>
- 熱意あふれる社員:15%
- やる気のない社員:67%
- 周囲に不満をまき散らしている無気力な社員:18%
<米国/カナダ>
- 熱意あふれる社員:31%
- やる気のない社員:52%
- 周囲に不満をまき散らしている無気力な社員:18%
<日本>
- 熱意あふれる社員:6%
- やる気のない社員:70%
- 周囲に不満をまき散らしている無気力な社員:24%
熱意あふれる社員が最も多いのは米国・カナダのグループで31%。
日本のおよそ5倍の数字です。
なぜ日本はこんなにも社員の職場幸福度が低いのか。
それは質問を見ると一目瞭然かもしれません。
社員の職場幸福度を調べる12の質問「Q12(キュー・トゥエルブ)」
この調査は、たった12の質問を5段階評価することで導出されます。
まずは質問の内容を見てみましょう。
Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
Q2:仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
Q4:この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
Q5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ
Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
Q7:職場で自分の意見が尊重されているようだ
Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
Q10:職場に親友がいる
Q11:この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった「Q12(キュー・トゥエルブ)」
このQ12(キュー・トゥエルブ)は以下のように分類されています。
- 仕事をするための動機や環境が整っているかどうか(Q1~2)
- 仕事に貢献しているか、どんな貢献をしているか(Q3~6)
- この「職場」で働く目的とチームの一員かどうか(Q7~10)
- この「職場」で働くことに伴う自身の成長性(Q11~12)
この質問内容を見て、私は結果に納得しました。
あくまで体感ですが、現在の日本ではあまりこうした職場環境は整っていないように思われるからです。
想像してみてください。
もし自分の働く職場で、こうした質問にすべて最もポジティブな回答を返すことができるような環境が整っているとしたら。
あなたを成長を促し、あなたを十分に認めてくれる環境が整っていたら。
あなたはその職場で毎日働くことが楽しいと思えるようになるのではないでしょうか。
もしあなたが部下を持つような立場であるのであれば、ぜひこの質問をよく読みこんでください。
もし部下に対してポジティブに回答させようと思ったら、どんな行動を取ればよいでしょうか。
ギャラップ社によれば、Q1~6に対して、部下に5点を付けるのは比較的困難であるそうです。
また、Q1~7までの質問の回答が離職率にもつながっているといわれています。
これはマネジメントを行うにあたって、「働きやすい職場」の指標でもあるのです。
「あなたは職場で、今幸せですか?」
過去、寝具メーカーの方から「布団は、人間の1日の内の約1/4を預ける場所なのだから、快適にしなくては」と言われたことがあります。
この考えにあてはめると、1日8時間勤務として、1日の約1/3を私たちは職場で過ごします。
それだけの時間を過ごすのですから、快適で幸せに過ごしたいものです。
今、あなたの職場に足りないことは何でしょうか。
あなたが幸せに働くために必要なことは何でしょうか。
部下の貢献意欲を沸かせるために必要なことは何でしょうか。
Q12(キュー・トゥエルブ)をもとに、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。