「健康経営優良法人2024」申請受付中!前年度からの変更点を詳しく解説
- 2023/10/2
- 健康経営
2023年8月21日より「健康経営優良法人2024」の申請受付が始まりました。
2017年に始まったこの制度は、健康経営への意識の高まりを受けて、大規模法人に対して行われる健康経営度調査の回答企業数も年々増加しており、前年は3,169法人に達しています。
また、中小規模部門では14,401法人の申請がありました。
加えて、日経平均株価を構成する225銘柄のうち、80%を超える企業が回答していることからも、健康経営の重要性や注目度の高さは明らかです。
この記事では、健康経営優良法人2024の認定スケジュールや昨年度からの変更ポイントなどを解説します。
健康経営優良法人とは
経済産業省は健康経営優良法人認定制度について以下のように説明しています。
健康経営を実践している企業等が社会的に評価される環境を整備することを目的に、企業規模別に「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2部門において、「健康経営優良法人」を日本健康会議が認定する制度です。
出所:経済産業省「健康経営銘柄2024・健康経営優良法人2024の申請受付開始!」
健康経営優良法人に選ばれることは社会的な評価につながり、投資家や就活生が参考にする一つの基準になるため、人材の確保や金融機関などからの信用・評価の向上が期待できます。
実際に、投資家や就活生などが健康経営優良法人認定の有無を企業の評価に活用している動きもあり、企業戦略を考えるうえで非常に重要な要素といえるでしょう。
ホワイト500、ブライト500
健康経営優良法人に認定された法人のうち、上位はホワイト500、ブライト500に選定されます。
それぞれ、中小規模法人部門上位500社が「ブライト500」、大規模法人部門上位500社が「ホワイト500」として認定され、専用のロゴマークの使用・掲載が可能です。
ホワイト500、ブライト500に選ばれた法人は、より高い社会的な評価と信用の獲得につながるでしょう。
中小規模法人部門と大規模法人部門は認定の要件やスケジュールが異なるため、あらかじめ申請区分を確認し、自分の企業がどちらの部門に属するかの事前確認が必要です。
健康経営優良法人2024調査のポイント
健康経営優良法人2024では、調査を行うポイントについて、昨年からいくつかの変更がなされています。
認定を受けるためにはしっかりと変更点を抑えておく必要があるでしょう。
情報開示の促進
改正開示府令(企業内容等の開示に関する内閣府令)が2023年1月に施行され、上場企業の、有価証券報告書における「人材育成方針」「社内環境整備方針」などについての開示が義務化されました。
こうした動きを受けて新たに特定健診・特定保健指導の実施率や、業務パフォーマンス指標の開示が評価対象となり、柔軟な働き方や生産性の低下防止に関する設問が新たに加えられました。
社会課題への対応
妊娠や出産、子育て、介護、女性特有の健康課題などによる従業員の心身への負担が社会的な課題となっている現状を鑑みて、従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大限に引き出すために柔軟な働き方や生産性を保つ施策に関する設問が追加されました。
社会課題に対応する施策としては以下のものがあります。
・ 介護休暇・介護休業
・ 子育て支援
・ 生理休暇
健康経営の国際展開
健康経営の国際的な普及を目的として、海外駐在員や現地法人の健康課題への対応状況などの把握を目的とした設問が加えられました。
ただ、こちらの設問に関しては、あくまで把握が目的なので、直接評価に影響することはありません。
ブライト500申請法人に対してフィードバックを実施
健康経営優良法人2024から、ブライト500申請法人に対してフィードバックの実施が始まります。
すでに、大規模法人部門に対しては評価順位や偏差値などを記載したフィードバックシートを交付するなど、より積極的な健康経営への取り組みを促す施策が行われていました。
こうした施策を中小企業にも広げることで、社会全体として健康経営への意識を高めていく狙いがあります。
また、来年度から中小規模部門に申請する全法人へのフィードバックも検討されており、今後は上場企業などを含めた大規模企業だけでなく、中小規模の法人にも、さらに健康経営優良法人認定制度が広がっていくことが予想されます。
健康経営度調査(大規模部門)回答期間:2023年8月21日~10月13日17:00
健康経営優良法人2024(中小規模法人部門):2023年8月21日~10月20日17:00
選定・認定予定時期:2024年3月ごろ
<参考>
・ 経済産業省「健康経営銘柄2024・健康経営優良法人2024の申請受付開始!」
・ 健康経営優良法人認定事務局「ACTION!健康経営」
・ 金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について」