男女共同参画局は「令和5年度男女の健康意識に関する調査報告書」を発表しました

内閣府の男女共同参画局は2024年3月に「令和5年度男女の健康意識に関する調査報告書」を発表しました。
この調査は、2023年12月12~25日までの期間に国内在住のモニター(20歳以上70歳未満)20,000人を対象に、インターネット上で男女の健康意識について調査したものです。

調査の目的

男女共同参画局が発表した本調査は、企業の健康経営への課題を明らかにし、今後の男女共同参画社会の発展に寄与することを目的としています

企業が働く従業員の健康に投資し、従業員のこころの健康状態が改善すれば、傷病による欠勤や、健康上の問題による業務パフォーマンスの低下を減らすことができ、企業自体の生産性の向上だけでなく、組織の活性化によって働く従業員の満足度向上にもつながると言われております。
また、女性の社会での活躍に注目すると、キャリア形成において重要な時期である30代から40代において、妊娠・出産など身体の大きな変化を迎えるほか、仕事で責任を負う立場になる40代後半から50代後半にかけて更年期を迎えます。
これらは女性が社会で活躍する上で避けては通れない課題であり、企業による健康経営、女性の健康課題の理解促進に関する取組は、社会での女性の活躍を後押しする重要な要素となると考えられています。
こうした中、健康に関する意識、職業生活において健康課題に関して抱える困難や悩みについて、男女別・年代別に把握することで、社会で活躍する誰もがいきいきと働き続けるために必要な要素を明らかにし、企業で行われている健康経営の後押し、今後の我が国の経済の発展、男女共同参画推進へとつなげていく目的があります。

今回はこの調査結果から一部を紹介します。

調査結果

自身の健康状態に対する認識

女性より男性のほうが「健康でないと思う」とする割合が高い傾向がみられました
女性はどの年代でも2割程度ですが、男性は20~40代で2割程度、50~60代で3割程度となっており、自身が「健康だと思う」という認識は、女性の方が高いことが読み取れます。
また、男女ともにすべての年代で「どちらかといえば健康だと思う」の割合が最も高く、40~50%台となっています。
また、「健康だと思う」の割合は、若い年代ほど高い結果となりました。

体調が悪い日の頻度

男性より女性のほうが「月に3~4日程度以上」体調が悪い割合は高くなっています。
つまり、前述した健康状態の認識は女性のほうが高いが、体調が悪い日は女性のほうが多い、という結果となりました
「月に3~4日程度以上」体調が悪い割合において、特に男女差が大きいのは、20~40代という結果となりました。
男性ではすべての年代で「体調が悪い日は基本的にない」の割合が最も高く、3~4割となっています。

健康課題の解決に向けて、健康経営との関係

健康経営の取組度が高い企業は、取組度が低い企業と比べて健康認識が高く、心理的ストレスの状況や体調が悪い日の頻度、健康状態などがポジティブな状態であることがわかりました。
また、健康経営取組度は企業規模が大きいほど高いとわかりましたが、健康経営がもたらすさまざまな影響については、企業規模ではなく、「取組度の高さ」が従業員のパフォーマンス向上に寄与していることが確認できました
つまり、健康経営取組度が全体的に低い 99名以下の中小企業でも、健康経営を前向きに実践すれば、一定の効果が得られると言えます。

勤務先の健康経営取組度

健康経営に関する個別実施項目では、特に「1,000名以上の企業」において、すべての項目で男性の方が「取り組んでいる」とした割合が高いということがわかりました。
「女性特有の健康課題」に関する取組で大きく差が出ています。

さいごに

このように、自身の健康意識や勤務先の取り組みへの意識に男女で多かれ少なかれ差があることがわかりました。
このほかにも、さまざまな調査結果が確認できるので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

<参考>
内閣府 男女共同参画局「令和5年度 男女の健康意識に関する調査報告書」

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長峰 あき株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

前職は金融機関に勤めておりました。ストレスにより休業する職員を見てきた中で、職場環境改善について考えるようになりました。働く人々がより健康で元気な毎日を過ごせるよう、情報を発信していきたいと思います。

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