メンタルヘルスをポジティブ目線で考えてみませんか?
- 2019/11/20
- 健康経営
「メンタルヘルス」というと不調者の発生を未然に防ぐといったネガティブなイメージが強いかもしれませんが、最近では「健康でいきいきと働く」ためのポジティブなメンタルヘルスが注目を集めています。
そんなポジティブ・メンタルヘルスの中でも厚生労働省が情報周知に力を入れている「ワーク・ゲンゲイジメント」について考えます。
ワーク・エンゲイジメントとは?
ワーク・エンゲイジメントの定義は複数ありますが、仕事に誇り(やりがい)を感じていること(熱意)、仕事に熱心に取り組んでいる状態(没頭)、仕事から活力を得ていきいきしている状態(活力)の3つが高い状態という考え方が主流となっています。
2015年に法制化されたストレスチェックにおいても、標準項目とされる「職業性ストレス簡易調査票」の57問にワーク・エンゲイジメントなどの項目を追加した「新職業性ストレス簡易調査票」の80問で実施する企業がここ1、2年で増えています。
このような項目をストレスチェックに取り入れることでハイリスク者だけでなく健康に働いている労働者の心の健康も視野に入れた対策が取りやすくなることが、その理由のひとつと考えられます。
ポジティブなメンタルヘルスは健康経営優良法人に認定基準にも含まれます
メンタル不調者を出さないためのセルフケア、ラインケアの教育も重要ですが、それと並行して従業員のワーク・エンゲイジメントを高めることが仕事の効率、離職率の低さ、企業の生産性の向上に寄与するという研究もあるほか、健康経営優良法人の認定基準にもワーク・エンゲイジメントに関する内容が記載されるようになりました。
このことからもワーク・エンゲイジメントの向上をはじめとするポジティブなメンタルヘルスは今後注目を集めることが予想されるほか、大企業だけでなく中小企業でも認知が広まるような試みとしてシンポジウムや相談会も開催されています(※1)。
ワーク・エンゲイジメントを高める第一歩とは?
従業員のワーク・エンゲイジメントを高めることが会社のメリットになるとして、どのようにして高めればいいのだろう?と思ってしまいますが、まだこの分野を科学的に検証した研究は数が少ないようです。
今後、ワーク・エンゲイジメントは働き方改革や健康経営と切り離せない重要課題になってくると予想されるため、まずはその第一歩として自社のワーク・エンゲイジメントが高いのか、低いのかを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
新職業性ストレス簡易調査票を取り入れたストレスチェックを実施することでストレスチェック法制化に対応しつつ、ワーク・エンゲイジメントも測定できるので最初の一歩としては取り組みやすいのではないかと思います。
※1:東京都「TOKYOはたらくネット」http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/kaizen/mental/suishin/