中小企業も健康企業宣言して、健康経営優良法人にエントリーしよう!

「健康経営」という言葉もかなり市民権を得てきました。
特に2019年4月から、新働き方改革法案が施行されたこともあり、これまで以上に「健康経営」への関心は高まっています。

ざっとおさらい!健康経営とは?

「健康経営」とは、企業、経営者が従業員の健康管理、職場環境の改善を経営的視点を持って、戦略的に実践していくことを指し、数多くのメリットがあることもあり、昨今は、積極的に取り組む企業が増えています。
「健康経営」が、企業にもたらす具体的なメリットとしては、主に以下があります。

・ 従業員のモチベーション向上、ヒューマンエラーの減少などによる生産性向上
・ 離職率、欠勤率の低下
・ 企業ブランドイメージの向上による人材確保
・ 事故や労災の発生予防によるリスク軽減
・ 健康保険料負担の軽減

そんななか経済産業省が企業の健康経営の普及促進に向けて、旗振り役となって立ち上げたのが「健康経営優良法人認定制度」です。
こちらの制度は、「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」に分かれており、「大規模法人部門」に属する企業は、同じく経済産業省が実施する「健康経営度調査」に回答することでエントリーできるのですが、「中小規模部門」に属する企業は、その企業が所在する「協会けんぽの都道府県支部」において「健康企業宣言」を行うことが必要条件になります。(注1)

協会けんぽの都道府県支部によって異なる「健康企業宣言」

そして、実は、この「健康企業宣言」は、都道府県によって名称も異なるうえ、その制度設計と運用すらかなり異なるのです。
たとえば、名称でいいますと、東京都は「健康企業宣言」、北海道は「健康事業所宣言」、神奈川県は「かながわ健康企業宣言」といった具合にばらばらです。
各支部のホームページでも、積極的に取り組みを促すべく、アイコンを設けているところもあれば、そうでない支部もあります。
さらに、各都道府県支部において、認定方法も、認定を受けるためのプロセスも異なるのです。
たとえば、東京都や埼玉県では「STEP1」、「STEP2」という2段階の認定を設け、それぞれに対して企業が申請する形になっていますが、神奈川県では、企業の取り組み内容を★の数で評価し、★4つと★5つを取得した企業を認定するという制度設計になっています。
プロセスも、指定された項目に対する取組状況を回答する方式もあれば、千葉県のように支部の職員が企業を訪問して説明を行うところもあり千差万別です。
エントリーする前に所属先の協会けんぽホームページをチェックしてみてください。

「健康企業宣言」で企業イメージアップ!そして健康経営優良法人認定制度にエントリー

一方で、すべての支部で共通していることは、宣言をした企業名が、公表を希望しない場合を除き、支部のホームページで公表される点です。
さらに認定されれば、それも別途公表されます。
「宣言」することで、企業の経営者が積極的に健康経営に取り組もうとしていることが、社内外にアナウンスされることになりますので、従業員の士気が上がるなどの効果も期待できますし、企業イメージもアップするという効果もあるでしょう。
そして、この「宣言をすること自体」が経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」にエントリーするための“必要条件”となっているのです。(注2)
もちろん「宣言すること」で、認定取得を目指すために社内体制整備等を行っていく過程で関係部署の負担も発生しますが、それ以上の大きなメリットもあると考えられます。
働き方改革法が施行されたこのタイミングで「宣言」することを検討してみてはいかがでしょうか?

<脚注>
・注1
大規模法人部門:従業員数が以下に該当する法人
①製造業その他:301人以上、②卸売業:101人以上、③小売業:51人以上、④医療法人・サービス業:101人以上
中小規模法人部門:
①製造業その他:1人以上300人以下、②卸売業:1人以上100人以下、③小売業:1人以上50人以下、④医療法人・サービス業:1人以上100人以下の法人
または
中小企業基本法上の「中小企業者」に該当する会社
※従業員を1人以上使用していること

・注2
東京都だけは、「宣言すること」だけではなくSTEP1、もしくはSTEP2の認定を受けなければ、経済産業省が認定する「健康経営優良法人認定制度」にエントリーすることはできません。

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浅田 徹也株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

30年近く、銀行員として為替変動による企業のリスクを如何にヘッジするかのアドバイスをしてきました。
現在は、企業の健康経営をサポートさせていただいています。人事・労務面でのさまざまなリスクを軽減し、中長期的な成長に貢献することができる今の仕事に非常にやりがいを感じております。

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