ウイルス性肝炎について正しい知識を持ちましょう
- 2018/3/30
- 健康経営
ウイルス性肝炎についてどのくらいの知識をお持ちでしょうか?
まずは、ウイルス性肝炎の正しい知識を身につけましょう。
ウイルス性肝炎の種類
肝炎ウイルスにはA型、B型、C型、D型、E型があります。
A型→主に水や食べ物を介して感染します。衛生状態の改善により国内での感染者は劇的に減少しています。
E型→主に水や食べ物を介して感染します。
B型→体液、血液を介して感染します。
垂直感染……母子感染
水平感染……性的接触による感染、輸血や臓器移植による感染
C型→体液、血液を介して感染します。以前は輸血による感染が発生していましたが、検査の精度が上昇したため、現在はほとんどなくなりました。
D型→B型肝炎ウイルスに感染している人のみ、体液、血液を介して感染します。
日本における肝がんの死亡者数は、年間約3万人となっていますが、その主要な原因としてあげられるのがB型、C型のウイルス性肝炎です。
感染すると、どうなるの?
B型、C型肝炎に感染すると、B型肝炎の10~20%、C型肝炎の70%は慢性肝炎へ進行し、やがて肝がんや肝硬変を発症するケースもあります。
肝臓は沈黙の臓器と表現されることもあるように肝炎も自覚症状の乏しい疾患です。
肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、感染したと思われる時期から3ヶ月以上経過していれば、血液検査で分かります。
定期健康診断でどこまで分かる?
労働安全衛生規則第44条にもとづく定期健康診断には、肝機能を調べる項目があります。
AST、ALT、γーGTPの3項目です。
しかしこれらの異常値だけでは、肝炎の感染の有無まではわかりません。
ただ、肝炎に限らずなんらかの異常を来たしている可能性があるので、放置せずにきちんと受診しましょう。
感染してること自体は就業禁止や解雇の理由にはなりません
事業主は、採用選考の際に応募者の適性、能力を判断するうえで、ウイルス性肝炎の検査を選考基準にすることはできません。
(客観的に必要性がある場合を除きますが、必要な場合であっても対象者に十分な説明を行ったうえで実施することが重要です)
ウイルス性肝炎は、通常の業務において感染することは考えにくい感染症です。
B型肝炎は予防接種を受けることができます。
接種年齢が低いほど良好な免疫応答が得られる、また、小児期における水平感染を予防するという目的から平成28年4月1日以降に出生した方は定期接種で予防接種を受けることができます。
参考: 厚生労働省肝炎総合対策推進国民運動事業「知って、肝炎」