突然ですが皆さん、ラーメンはお好きですか?
私は福岡県出身なので、とんこつラーメンには目がありません。
学生時代にはラーメン店でアルバイトをする友人も多く、おいしいラーメンがまかないで食べられるとあって人気でした。
ですが一方で、厨房が暑すぎる、熱湯で火傷したなど、その厳しい労働環境により、長続きしないアルバイトという印象も強かったです。
そんなアルバイトの人手不足を解消し、さらに店長の負担も減らすべく、興味深い育成・教育ツールを取り入れたのが、とんこつラーメンのグローバルブランド「一風堂」。
今回はその育成ツール「イチトレ」についてご紹介します。
コンテンツをクリアするごとに時給10円アップ!
ゲーム感覚で仕事が学べる
まず、アルバイトを7つのステージに分けます。
各階層内に複数の「コンテンツ」と呼ぶ作業項目が設けてあり、それぞれに2〜3分の解説動画が付いています。
アルバイトは、各自に設けられたマイページ内に習得すべきコンテンツが次々と表示されます。
店舗にあるタブレット端末でそれを確認することで、店長や先輩などから教わった作業を手軽に予習・復習することができます。
そしてそのコンテンツを、自分で「マスターした」と思ったタイミングで、自ら店長に実技確認を申し出ます。
合格すればコンテンツクリアとして時給が10円アップし、次のコンテンツに挑戦することができます。
これが、育成・評価ツール「イチトレ」のしくみです。
育成や評価の今までの悩みが一気に解消!「イチトレ」のすごさ
まず前述でご紹介したとおり「イチトレ」は、ゲーム感覚で作業を覚えることができます。
ですがこのシステムのすごいところは、これだけじゃないんです。
1. 評価の公平性
新人を育成し評価するうえで、一番問題となってくるのが公平性です。
この「イチトレ」は、店長の個々の感覚では無く、システマチックに作業クリアと評価が進められるので、公平性が保証され、評価される側の不満も解消できます。
2. 教育する側の負担軽減
日々の忙しい業務のなかで、人は増やしたいけど教える時間も負担になる……。
そういった現場の声をよく聞きます。
この「イチトレ」は、タブレットの動画が新人に作業を教えてくれますので、店長や先輩アルバイトの手間を取ることがありません。
3. 教える側の都合ではなく、学ぶ側の能力が優先される
どんなに有能な新人を雇うことができても、その能力を引き出すことができる労働環境、もしくは上司の存在がなければ意味がありません。
この「イチトレ」のしくみを使えば、もっとたくさん学びたいと意欲溢れる新人は、どんどん上のステージに進むことができます。
最もスキルアップする時期である入社から半年の時期に、店長の能力や労働環境に左右されず、適切な評価を行うことができます。
4. 自分の立ち位置を明確に把握することで、ビジョンが持ちやすくなり、モチベーションアップにつながる
すべての項目を習得すると、最上位のステージで、店長らの不在時に店舗責任者を代行できるアルバイトリーダーになることができます。
自分が今どのステージに居るのか、あといくつのコンテンツをクリアすれば良いのかなど、自分のレベルが見えることで、将来ビジョンを持ちやすくなり、仕事に対するモチベーションを保つことができます。
5. 新人教育だけじゃない!長年働いているスタッフのスキル向上にも役立つ
勤務歴が長いことで作業が自己流になってしまっていたアルバイトの能力向上や、高いスキルに対して時給額がマッチしていなかったというケースも、この「イチトレ」導入で解消を見込んでいます。
6. 外国人アルバイトの教育もしやすくなる
言語による意思疎通が難しい外国人アルバイトの場合、教える側も教わる側も一苦労。
そんな時、動画を活用することによって、負担少なく外国人にも作業を学んでもらうことが可能です。
今後の展望
一風堂を展開する(株)力の源ホールディングスは、現在「イチトレ」を一部店舗でテスト運営中、2018年9月の正式導入を目指して居るとのことです。
こういった、企業側にも働く側にも利点がたくさんあるしくみがどんどん広まると良いですね!
そして意欲溢れるアルバイトが美味しいラーメンを提供してくれることで、お客様も満足できれば、最高の好循環です♪
ラーメンの味だけではなく、働き方改革としての視点でも、今後の一風堂に注目していきたいと思います!