自分の給料は平均値?東京都が中小企業の賃金実態を調査しました
- 2022/2/17
- 労働環境
東京都は、都内の中小企業における労働条件の改善などを目的とし、中小企業における賃金実態調査を毎年行っています。
令和3年はパートアルバイト等の有期雇用を除く労働者30~299人(ただし卸売業,小売業およびサービス業系は10~99人規模)の3,500社を対象とし、852社から回答を得られました。
今回は、令和3年の「中小企業の賃金事情」をわかりやすく解説します。
30歳以上は前年とくらべて賃金が減少傾向に
東京都が、都内の中小企業を対象に賃金の実態を調査した大学卒のモデル賃金は以下のとおりです。
令和2年とくらべて賃金が改善したのは22歳と25歳のみで、30歳以上はどの年代も前年より下がりました。
20代の給料が上がり、30代以降が下がっていくということは、全体的な賃金カーブが緩やかになっていることを意味し、年齢にとらわれない給与形態化が進んでいると示唆しているといえるでしょう。
コロナ禍のテレワーク拡大により、通勤手当が5.7%減少
コロナ禍で著しい変化が見られたのが通勤手当です。
令和2年調査では通勤手当の平均が12,041円に対し、令和3年は11,356円と5.7%減少していました。
さらに所定時間内の賃金の平均は349,759円で、令和2年調査とくらべると718円(0.2%)減少したのに対し、所定外賃金は30,467円で、令和2年調査とくらべると664円(2.2%)増加していました。
所定内賃金が下がった一方で所定外賃金が上がったのは、コロナ禍によるテレワーク普及の影響が少なからずありそうですね。
都内中小企業の役職手当は、部長が8.6万円、課長が5.5万円、係長が2.5万円
部長、課長、係長の役職に就いている従業員に対し「役職手当」を支給している企業は72%で、同じ役職者には同額を支払っているというケースは62.2%でした。
支給額の平均は、部長が86,687円、55,612円、25,601円です。
東京都内で働いている方は、ご自身の給料や役職手当と見くらべてみていかがでしたでしょうか?
東京都産業労働局では、今回ピックアップした「モデル賃金」「通勤手当」「役職手当」の他にも「産業別賃金」、「賞与・諸手当」、「初任給」、「労働時間」、「休日・休暇」などの調査もしています。
ほとんどの調査は経年変化が見れますので、興味がある方はぜひ前年度のデータとも照らし合わせながら見みてください。
また東京都は、労使の皆さんに賃金を含めた労働条件を検討する際の参考資料として利用する目的で調査結果を公表するとともに、賃金だけでなく、広く労使関係全般にわたる相談に応じる相談窓口も案内しています。
東京都労働相談情報センター
電話:03-5211-2248
はたらく人にとって賃金事情は一番の感心ごとでしょう。
しかし、一方でその悩みはなかなか周りには相談しにくいものでもありますよね。
今回の調査結果を受け、ご自身の今の賃金や労働環境など何か少しでも疑問に思うこと、わからないことなどありましたら、一度東京都労働相談情報センターに相談してみましょう。
<参考>
・ 東京都産業労働局「中小企業の賃金事情(令和3年版)」
・ 東京都産業労働局「中小企業の賃金事情(令和2年版)」※前回の調査結果