東京産業保健総合支援センターは、令和4年度版の「労働衛生のハンドブック」を発行しました。
★独立行政法人 労働者健康安全機構 東京産業保健総合支援センター「労働衛生のハンドブック」★
中小事業主も2022年4月1日から義務化された「職場におけるハラスメント防止対策」の案内や、新型コロナウイルス感染症に関する対応など最新情報が掲載されています。
上記サイトから誰でも無料でダウンロード可能です。
また印刷されたものは、東京産業保健総合支援センターで無料配布されています。
1事業場1冊に限り郵送もしてくれますので、詳しくは上記のサイトをご確認ください。
今回は、令和4年9月に公開された令和4年度版の内容についてわかりやすくご紹介します。
「労働衛生のハンドブック」とは
「労働衛生のハンドブック」は、1年に1度、東京産業保健総合支援センター(東京都千代田区)によって刊行されています。
衛生委員会の設置と活動についてや、定期健康診断検査項目別有所見率の推移、健康確保関係法令等の主な改正の流れなど、労働衛生に関わる基本的な内容から最新情報まで、幅広く学べる1冊です。
労働衛生についてまだまだ知識が少ない方はもちろんのこと、長年労働衛生に関わる業務をおこなっている方、産業医の先生や保健師まで、全ての労働衛生に関わる人に役立つ情報が詰まっていますので、毎年必ず読んで労働衛生の知識をアップデートしていきましょう。
「労働衛生のハンドブック」令和4年度版の内容
1. 産業保健活動総合支援事業について
東京産業保健総合支援センターの業務、および地域産業保健センターの業務が詳しく案内されています。
「産業保健センターって何?」という方、ぜひ読んでおきましょう。
労働者の健康管理に係る相談や、個別訪問による産業保健指導の実施など、企業の担当者さまがとても助かる支援を行っています。
無料で利用できますので、何かあったときのため、自分の地域の産業保健センターの業務を把握しておきましょう。
2. グラフで見る労働衛生
「定期健康診断検査項目有所見率の推移」「業務上疾病発生状況の推移」「脳・心臓疾患及び精神障害等の労働補償状況」が、経年変化のグラフで見れます。
はたらく人たちの健康が、年々どのような変化を辿っているのか知っておくことは、労働衛生を進めていくうえでとても重要です。
3. 労働衛生関係の動向
平成27年度から令和4年度までの、健康確保関係法令等の主な改正の流れ(抜粋)が表で示されています。
今年度は「新型コロナウイルス感染症に関する対応について(安全衛生関連)」や「自宅等でテレワークを行う際のメンタルヘルス対策の留意点」についてのコラムなど、最新情報もありますので併せて確認しておきましょう。
4. 労働衛生管理の充実
衛生委員会の意義や、衛生管理者の選任方法、産業医についてなど、労働衛生の基本的な内容が詳しく解説されています。
まだあまり労働衛生について知識がない、よくわからない、という人はまずこの項目を確認しましょう。
5. 健康管理の充実
健康診断についてや就業規則などについて、企業が従業員の健康を守るためにとても大切な情報が詳しく記載されています。
専門的な内容にもなりますが、図や表などを用いてわかりやすく記載されていますのでぜひ把握しておきましょう。
6. 健康の保持増進
職場における受動喫煙防止のためのガイドライン(抜粋)が示されています。
受動喫煙対策に係る相談支援の連絡先や受動喫煙防止対策助成金制度の案内もあります。
7. 職業性疾病の予防
新たな化学物質規制項目、腰痛や熱中症などの予防、トイレや休憩設備などについて詳しく解説されています。
8. 作業環境測定
作業環境測定を行うべき作業場所や、作業環境の改善について表と図で解説されています。
9. 労働衛生関係諸届・申請等の方法
企業に求められている各種申請の種類および申請内容、申請方法などが詳しく書かれています。
担当者はとても重要な情報になり、申請時には必ず役立つ情報となります。
必ず保存していつでも見れるようにしておきましょう。
10. その他
労働衛生関係の問い合わせ先や各種機関が案内されています。
「労働衛生のハンドブック」を活用しましょう!
前述の内容をざっと見ただけでも、かなり幅広く、多くの人に役立つ情報が詰まった1冊であることがわかります。
これまで毎年参考にして使用していた方も、今回はじめて「労働衛生のハンドブック」の存在を知った方も、どなたでも無料ですぐダウンロードして使えますので、最新版の「労働衛生のハンドブック」を今すぐ入手して、労働者の健康を守るためにぜひ活用していきましょう!