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副業・兼業に関する就業規則の規定
- 2019/3/6
- ワークライフバランス, 働き方改革, 労働環境
皆さんの会社の就業規則は副業・兼業に関して、どのように定められていますでしょうか?
副業や兼業に対して、マイナスのイメージを持つ方や企業はまだまだ多いと思います。
実際に副業や兼業を禁止している企業は多く、自社での業務がおろそかになることや情報漏洩のリスクがあること等が懸念点として挙げられ、なかなか容認し難い現状があります。
しかし、副業や兼業を認めることで生まれるメリットあります。
今回は副業や兼業にについて企業や労働者への影響を考えるとともに、企業の就業規則について改めて考えていきましょう。
モデル就業規則
厚生労働省が発表している「モデル就業規則」では、以前までは「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と記載されていました。
しかし、平成30年1月にこの規定を削除し、新たに副業・兼業についての規定を新設しました。
政府による「働き方改革」の一案として、正社員の兼業・副業を後押しする方針を新設し、「原則禁止」といった考えを撤廃し「原則容認」の指針を発表しています。
このように政府からも副業や兼業に関しての考え方が変化してきていることが伺えます。
メリットや注意点
では実際に兼業や副業を容認していくことでどのようなメリット、あるいは注意していかなければならない点があるか考えてみましょう。
<メリット>
・離職せずに他の仕事をすることが可能となり、スキルや経験を得ることで労働者が主体的にキャリアを形成することができる
・本業の所得を活かして自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる
・労働者が社外から新たな知識・情報を身に着け、事業機会の拡大につながる
・労働者の自律性・自主性を促すことができるとともに、優秀な人材の獲得・流出の防止ができる
<注意点>
・必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応が必要となる
・職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するか
・1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には、雇用保険等の適用がない場合があることに留意が必要
実際の取組事例
<ユニ・チャーム株式会社>
ユニ・チャーム株式会社は入社4年目以上の社員を対象に副業を許可しています。
副業先は個人のスキルアップや成長に繋がることを前提とし、上長及び人事本部長に希望届を提出することを必須としています。
また、社員の健康管理の観点を懸念し、24時以降の勤務は禁止しています。
【ユニ・チャーム】社員のさらなる成長を支援する「副業制度」の導入
<コニカミノルタ株式会社>
コニカミノルタ株式会社は、「個の多様性」を活かし、イノベーション創出に繋げるために、兼業・副業の解禁と、ジョブ・リターン制度の導入を2017年12月1日より実施しました。
ユニ・チャーム株式会社と同様で上長に確認後、人事部長に申請書と誓約書を提出する必要があり、承認を得ることができたら副業することを許可されます。
会社経営・コンサルタント・ITプログラマー等を副業・兼業として想定しているということが記載されており、あくまでも自社の貢献を第一に考えられていることが示唆されます。
【コニカミノルタ株式会社】イノベーション創出のための兼業・副業解禁、ジョブ・リターン制度導入
徐々にですが、副業・兼業を容認している企業は増えてきており、就職活動をする上でも重要なポイントとなっています。
本業に支障をきたさないことは前提として、多種多様な働き方が認められ労働者ひとり一人が自身の能力や働き方を考えられる環境を整えていくことが、企業には求められることとなるでしょう。