モチベーション向上に役立つ!ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、「人間は期待されると向上心が誘発され、より良い結果を出す」とされる効果です。
この効果を意識しながら人と接すると、受け手のモチベーションの向上や、生産性の向上にとても役立ちます。
皆さんがコミュニケーションを取る際の参考にしていただければと思います。
教育心理学者 ロバート・ローゼンタール氏による実験
ピグマリオン効果の検証のため、1964年にアメリカの教育心理学者であるロバート・ローゼンタール氏によって、とある学校で実験が行われました。
その実験は生徒たちを成績の良い「Aクラス」と、成績の悪い「Bクラス」の2つに分け、それぞれのクラスを担当する教師に真逆の情報を伝え、指導を行わせる、というものです。
要するに実際は「Aクラス」は成績が振るわない生徒、「Bクラス」は成績が良い生徒で構成されていたのです。
普通に考えると、本当は成績が良い生徒で構成されている「Bクラス」のほうが、当たり前ですが成績が伸びていくように感じませんか?
しかし、実験ではもともと成績があまり振るわなかった「Aクラス」のほうが、良い成績をおさめたのです!
それでは、なぜ成績の振るわなかったクラスの成績が良くなったのでしょうか?
実験内容を振り返ってみると、教師の生徒たちに対する「期待度」と「接し方」に大きな違いがあったようでした。
まず、成績の良い生徒ばかりだと聞いていた「Aクラス」の教師は、その言葉を信じ「君たちはとても優秀な生徒だ!きっとグングン成績が伸びるよ!」と強く期待し、励ましながら授業を行っていました。
逆に、成績の振るわない生徒ばかりだと聞いていた「Bクラス」の教師は、「何をやっても無駄だろう」と半ば諦めのような雰囲気を漂わせながら授業を行っていました。
この実験結果からローゼンタール氏は、人は期待されたり褒められたりすると、その気持ちに応えようと努力し、より良い結果を出す傾向がある、と結論づけました。
ピグマリオン効果を人材育成に活用しよう!
そんなピグマリオン効果は、ビジネスの場でも活用することができます。
その1:部下に対して「期待している」ことを伝えよう!
まず上司は「あなたならきっとこの仕事を達成できるよ!」と期待していることを伝え、本人にしっかりと認識させます。
そうすることよって部下は「そうか、やればできるんだ!頑張るぞ!」という自信とやる気を持つきっかけとなり、モチベーションも上がっていきます。
その結果、部下はよりよい結果を出すための行動を自ら考え、実践するようになっていくのです。
その2:しっかり褒めよう!
とてもありきたりなことですが、仕事が達成できたらしっかりとその成果を称え、褒めてあげましょう。
もちろん社会人として与えられた仕事をするのは当たり前のことなのですが、人は頑張って出した成果に対して何のフィードバックもないと、「どんなに頑張っても何の評価もされないんだ」と学習してしまい、どんどんモチベーションが下がってしまいます。
仕事をするうえでモチベーションはとても重要
本来とても能力のある人であっても、モチベーションの良し悪しで思うように結果を出すことができなくなってしまうことがあります。
これは非常にもったいないことですよね。
そこでうまく上司が部下のモチベーションを上げてあげることで、生産性向上が期待できますし、褒めたり励ましたりする声掛けによって、お互いに良い関係性を築くことができ、コミュニケーションの活性化にもつながります。
ピグマリオン効果、実践してみてくださいね!