「少子化」という言葉は、今の日本ではよく聞く言葉ですね。
厚生労働省が発表したデータによると、2018年に生まれた子どもの数(出生数)は91万8,397人で過去最低を更新する結果となりました。
そんな中、日本の夫婦の5.5組に1組が不妊検査や治療を経験しているというデータがあるのですが、その割合は年々増加しています。
また、そのうちのなんと9割が治療と仕事の両立が困難であると感じており、やむを得ず退職したり、治療を諦めざるを得なかったりする状況です。
子どもは社会の宝であり、その親となる人たちもまた、それぞれが働いている企業の大切な人財です。
両立困難によって子どもか仕事か、どちらかしか選べないのは働く人にとっても企業にとっても、ひいては日本という国にとっても、大変大きな損失ですよね。
そんな問題の解消を支援する事業を、実は東京都が行っているのをご存じですか?
今回は「働く人のチャイルドプランサポート事業」についてご紹介したいと思います。
チャイルドプランサポート事業とは?
チャイルドプランサポート事業は、東京都が行っている不妊治療と仕事の両立支援を行う企業を後押しする事業のことで、主に以下の3つの支援メニューがあります。
① 制度整備奨励金
② 不妊治療と仕事の両立に関する研修の実施
③ 不妊治療と仕事の両立推進シンポジウムの開催
制度整備奨励金
奨励金は実際に下記のような両立支援の取組みを行い、その実績報告を東京都に提出することで企業に支給されます。
・ 不妊治療と仕事の両立に関する相談体制の整備
・ 不妊治療休暇制度または不妊治療休業制度の整備
・ 不妊治療のためのテレワーク制度の整備
・ 社内説明会の実施
こちらは大変人気のサポート事業となっており、2019年度分予定数150社のエントリーは終了しています。
ちなみにエントリーは先着順ではなく、予定数を上回った場合は抽選で決定することになっています。
不妊治療と仕事の両立に関する研修
この研修は、東京都内企業の経営者や人事労務担当者、不妊治療と仕事の両立に関する社内相談員等を対象として、不妊治療についての基礎的な知識、両立を行う上で必要な人事労務上のポイントなど、従業員が働きながら治療をするための知識を得ることができる研修となっています。
こちらは事前受付が先着50名となっており、12月以降にはまだ空きがあるようですので、ご興味のある方はぜひ受講してみてはいかがでしょうか。
【働く女性の健康支援 チャイルドプランサポート事業(東京都TOKYOはたらくネット)】
不妊治療と仕事の両立推進シンポジウム
今年6月に開催されたシンポジウムでは、不妊退職に繋がらないよう企業が知っておくべき人事労務関係についての基調講演の後、パネルディスカッションとして不妊治療の概要や企業の取組み事例の紹介がされています。
両立支援のために何か取組みを行いたい、けれど何をしたら良いのかわからない……。
そんな企業の担当者の方はきっと多いと思います。
そこで、まずは知識や他社事例を知るという意味でも、研修やシンポジウムに参加してみてはいかがでしょうか。
従業員の方々が安心して働ける環境作りに活かせる情報を得ることができると思います!