具体例でわかりやすく解説!職場環境改善で生産性が向上する
- 2020/3/19
- 生産性向上
生産性向上は一体どうしたら実現できるのか?…頭を抱えてしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな皆さんに、生産性向上が期待できる「職場環境改善」の効果と進め方の一例をご紹介します。
職場環境改善は効果があります!
職場環境改善の効果に関する研究は数多くありますが、以下に3つご紹介します。
① 職場環境改善を経験した人の約6割が、自分たちのストレスを減らすのに有効だったと回答している。
② ストレスチェック後に職場環境改善を行った職場では、そうでない職場よりもストレス反応(高ストレス者判定に関与している領域)が改善した。
③ 職場環境改善によって得られる生産性向上などの費用便益は、職場環境改善に投資した費用の約2倍と見積もられている。
ストレス低減に対する効果はもちろんですが、投資した費用の約2倍もの利益が生まれる可能性があることを考えると、会社をあげて取り組むべきでは?と思えてきませんか。
職場環境改善の流れ
それでは早速、職場環境改善の進め方の一例をご紹介しましょう。
STEP1:持っているデータを活用して、問題を洗い出す
そもそも何について改善すべきなのか、どんな問題についてどんな方法で取り組むべきなのか。
それを考えるために、まずは問題の洗い出しからはじめましょう。
会社には問題の洗い出しに活用できるデータがさまざまあります。
・ ストレスチェックの集団分析結果
・ 健康診断結果
・ 勤怠情報
・ その他お持ちの情報
このような情報を総合的に見て、会社単位、部署単位など、セグメント別に現在発生している問題を抽出していきます。
必要に応じて産業医や保健師、その他外部の専門家などに意見を仰ぐことで、より優先度、緊急度などに応じた抽出ができるでしょう。
STEP2:見つけた問題の原因を洗い出す
問題には、必ず原因があるはずです。
ロジックツリーなどのフレームワークを使って、問題ごとに考えられる原因をすべて洗い出しましょう。
【例】問題は「業務量が多い」こと。その原因と考えられるものを洗い出す。
STEP3:原因ごとに、解決策を考える
解決策は、抽象的や曖昧なものではなく、具体的に取り組める形に落とし込んでおくと、計画を立てるのがスムーズになります。
【例】原因は「業務に時間がかかってしまっている」
STEP4:改善計画を立てる
計画を立てる時に大事なのは、誰が、いつまでに、何に取り組むかということをしっかりと盛り込んでおくことです。
そうすることで主体的に取り組むという構図を作り、計画の作りっぱなし、やりっぱなしを防ぐことができます。
また、実効性と低コストであることが取り組みを継続していく上で重要になってきます。
そのため、今すぐできること、取り組みやすいことから始めてみることがおすすめです。
【例】
解決策:アンケートやヒアリングにて、業務に必要な力量が不足している項目を特定
実施責任者:人事部
実施時期:1か月以内に実施
報告時期:次回衛生委員会にて報告
職場環境改善は、やってもらうものではなく、自分たちでやるもの
皆さんが働いている職場で生じている問題が何なのか。一番分かっているのは、皆さん自身です。だからこそ、働く環境をいかに良くしていくかを皆さん自身が考え、実行していくことが、最もその職場に合った職場環境改善です。
ぜひ皆さんの職場でも、できることから取り組みをしてみてください。
<参考>
「ストレスチェック制度施行開始1年度の実施状況,有用性および課題:労働者へのインターネット調査」(日本産業ストレス学会「産業ストレス研究」2018年4月)
「日本における職場でのメンタルヘルスの第一次予防対策に関する費用便益分析」(日本産業衛生学会「産業衛生学雑誌」2013年1月)