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男性の育休取得推進となるか?育児休業給付金の給付率アップの見込み
- 2020/3/23
- ワークライフバランス, 働き方改革
育児休業給付金という制度をご存知でしょうか?
人事・総務関係のお仕事をしている方や、実際に育児休業をした経験のある方にとっては、聞き慣れた制度かと思います。
育児休業給付金とは
育児休業給付金とは、その名のとおり「従業員が育児休業中に受け取ることができる給付金」です。
雇用保険の被保険者であること、1歳に満たない子を養育するなど一定の条件を満たすことで受給できます。
育児休業中は育児に専念するため仕事をすることができません。
その期間、当然ながら会社からお給料をもらうこともできませんので、従業員が生活費に困らないようにこの給付金制度があるのです。
現在は、休業開始日から180日間はそれまでもらっていた賃金(休業開始時賃金日額)の67%、181日以降は50%の給付金を受け取ることができます。
育児休業給付金の給付率がアップする見込み
前述のとおり、給付率は休業開始日から180日間は67%、181日以降は50%となっていますが、実は2014年3月までの給付率は休業中全期間で50%だったのです。
日本では女性がメインとなって子育てをするという意識がまだまだ根強いように感じますが、改訂当時は給付率をアップして経済支援をすることで男性の育休取得を促し、少しでも働く女性の負担を軽くする目的があったようです。
社会情勢の変化に応じて、同様に制度も変化しているんだなという印象を受けます。
そして2020年2月、その給付率が再び引き上げられる見込みだと報道がありました。
今回の給付率アップについては、前回の改訂時と変わらず男性の育児参加を促すことと、加速する少子化に歯止めをかけたいという目的があるようです。
はたして給付率アップが吉と出るのか?
厚生労働省の発表によると、2018年の育休取得率は女性の82.2%に対して男性は6.16%。
2017年が5%ですから、わずか1.16%しか増えていない状況です。
また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った調査では、男性が育休を取らなかった主な理由として、以下のものを挙げられています。
・ 業務が繁忙で職場の人手が不足していた・・・・・・27.8%
・ 会社で育児休業制度が整備されていなかった・・・・27.5%
・ 職場が育休を取りづらい雰囲気だった・・・・・・・25.4%
・ 自分にしかできない仕事があった・・・・・・・・・19.5%
・ 収入を減らしたくなかった・・・・・・・・・・・・15.5%
政府が検討している給付率アップ策は「収入を減らしたくなかった」という理由には効果があるかもしれません。
ただ、そのほかの理由についてはどうでしょうか。
「業務が繁忙で……」「職場の雰囲気が……」といった理由には別の施策が必要になります。
男性の育休取得率を上げるには、企業や上司はもちろん一緒に働く人たちの男性の育休取得に対する考え方の醸成、仕事をお互いにフォローし合えるような環境の整備が必要でしょう。
また国には、男性も迷わず育休を取得できるような、育児と仕事を両立できる社会づくりを目指してほしいと思いました。