突然ですが、皆さま年次有給休暇はしっかり取れていますか?
年次有給休暇とは、雇い入れから6カ月時点で1年ごとに労働した日数に応じて付与される休暇で、労働基準法第39条で認められた労働者の権利のことをいいます。
今回は、休暇取得の現状と企業の取り組みをわかりやすく紹介します。
休暇に対するさまざまな悩みと提案、企業の取り組み
<課題1>
経営層が年次有給休暇の取得促進に積極的であるにもかかわらず社員に浸透していない
この場合、社長の名前で明確な数値目標を盛り込んだ方針を社員の前で説明する等の工夫が必要でしょう。
株式会社現場サポートでは、社長自らが社員に向けて働き方や各種方針を共有し、長時間労働の削減や時間当たりの生産性を高めることの理解を深める取り組みを行っています。
<課題2>
仕事の進め方に焦点を当てた場合、特定の人しか業務内容を把握していない、もしくはできないなどの理由で仕事の属人化が目立ってしまう
一定の社員が休みの時のために業務内容を複数の社員で共有・理解し、効率よく業務遂行できる体制づくりを構築することが重要です。
宮川バネ工業株式会社では、技術的要素を習得している労働者が2人以上在籍する体制をとれるよう技能習得の教育を行い、多能工化を進める取り組みをしています。
休暇を取ることの重要性
現在の有給取得率は45%程で、世界の中での日本は14位とまだまだ課題が多いと感じます。
2019年の年次有給休暇の取得率は過去最高で56.3%と上昇しましたが、昨今のコロナ禍の影響により外出制限や観光地の営業自粛が多くあったため、2020年以降のデータでは若い世代の休暇取得日数が特に低下する可能性が高いと考えられます。
「日本人は働きすぎだ!」と言われていますが、この数値を見ると納得してしまいますね。
休暇取得にためらいを感じる理由として多いのは、
「他の人に迷惑がかかるから」
「後で多忙になるから」
と不安感を感じてしまうから、というものです
しかし、日々の忙しさや休暇が取りづらい雰囲気で休みを取らずに長時間労働を続けていると、ストレスが蓄積して心身ともに疲れ果ててしまいますし、職場の雰囲気悪化につながります。
企業にとっても残業代のコストが増加するなど、マイナス面が目立ってしまいますよね。
労働者の意欲向上・効率や生産性向上のためにも、「そのうち休暇をとろう」という考えは無くし、計画的に休暇を取ってリフレッシュすることが、会社にとっても労働者にとっても良いでしょう。
家族や子どもとの時間を大切にー川崎市の取り組み
「キッズウィーク」をご存知でしょうか。
「キッズウィーク」とは、地域ごとに学校の夏休みなどの長期休業日を分散化することで、親と子どもが同じタイミングでまとまった休日とることが可能にする取り組みのことを言います。
昨年度川崎市では、「かわさき家庭と地域の日」として第3週目の10月15日に夏休み・冬休みに替えてお休みを取得するように推奨しています。
このような取り組みのおかげで普段は働いている親と子供が平日に一緒に過ごせる機会を作ることができ、さらに絆を深め、豊かな心や充分なリフレッシュを取ることができるのはないでしょうか。
<参考>
・ 厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「労働者の休み方に関する課題と提案」
・ 厚生労働省 年次有給休暇取得促進特設サイト「キッズウィークについて」