安全衛生優良企業を目指す~ホワイトマークを取得する~
- 2024/10/21
- 健康経営
安全衛生優良企業とは、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善しているとして、厚生労働省から認定を受けた企業のことです。
この認定を受けるためには、過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がないなどの基本事項に加え、労働者の健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働防止対策、安全管理など、幅広い分野で積極的な取組を行っていることが求められます。
引用:厚生労働省 「安全衛生優良企業公表制度について」
ここでは安全衛生優良企業を目指すための具体的な取り込みについて考えていきます。
認定を受けるための要件とは
下記要項の中で必須条件+評価項目で一定の点数を満たすと認定を受けることができます。
【企業必須項目】
① 過去3年で労働安全衛生法を違反していない、または過去に違反はあったが改善されている
② 過去3年で酷い労働災害が2件以上発生していない。
③ 労働者の各月平均の残業時間が60時間未満であること。
④ 過去3年間「安全衛生に関する優良企業」としてふさわしくない問題を生じさせていない。
⑤ 各事業場に健康や安全を担当する組織があり、責任者がいる。
⑥ 企業のトップが従業員に対して健康・安全を確保すると明言化し周知している。また、労働災害の発生、防止、安全衛生に関する計画、従業員の労働、健康状況を把握できている。
【企業評価項目】※取り組みを評価するもの。
⑦ 企業側から従業員に対し安全衛生に関する支援や意見反映が出来ている。
⑧ 従業員の健康についての計画、共有、実行、改善が出来ている。
⑨ 定期健康診断の有所見率が前年より改善している。
⑩ 従業員のメンタルヘルス対策について計画、共有、実行、改善が出来ている。また、メンタルヘルス不調者による休職者の復帰支援をしている
⑪ 従業員の過重労働者対策について計画、共有、実行、改善が出来ている。
⑫ 過去3年間の年次有給取得率が70%以上かつ残業時間が2カ月以上連続して80時間を超えた従業員がいない。
⑬ 受動喫煙防止策(全面禁煙または空間分煙)を実施している
⑭ 従業員が安全に働けるための計画、共有、実行、改善が行われている。
安全衛生優良企業認定のメリットとは
安全衛生優良企業認定されるとどういったメリットがあるのでしょうか。
●健康で安全で働きやすい優良企業であることを求職者に対してPRできる
求職や転職される方の多くはその企業で働くにあたって「この会社ブラック企業じゃないかな?」「条件は該当しているけど職場環境大丈夫かな?」など、不安を感じて求人へ応募するのをためらう方も多いと考えられます。
そのような方に対して安全衛生優良企業の認定を提示することで、企業に対する安心感につながります。
●優良マークを広報、商品に使用し、取引先や消費者に対してPRできる
企業同士の取引の際に、厚生労働省から認定されている企業であることの証明になり、相手方の安心感が高まります。
●社員が安心して働ける
従業員に対して、企業が安全衛生に対して取り組みができているアピールになるため、従業員が安心して働くことができ、満足度も上がると考えられます。
さいごに
安全衛生優良企業の認定には大きなメリットがありますが、取得を目指すにあたり、企業には下記の業務が発生してきます。
・予算を組む
・安全衛生に関する担当者の選任
・安全衛生に関する組織の設立
・議事録として企業側での取り組みを記録 など
安全衛生に関する取り組みをする際に予算や業務量が増えるので躊躇される企業は少なくないと考えられます。
しかし、厚生労働省が労働環境の改善を目指す施策を少しずつ進めていることから見えてくるように、企業側が従業員の安全衛生を守るために努める姿勢が「ニューノーマル」になっていく可能性が高いです。
今後の企業のため、従業員のためにも、安全衛生優良企業を取得してみてはいかがでしょうか。