「業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル (宅配業編)」かわかる宅配業におけるカスタマーハラスメントの実態

近年、顧客からの暴言や理不尽な要求などといったカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題として注目されています。
こうした状況を受け、厚生労働省は2026年10月から事業主に対してカスタマーハラスメントへの対策が義務付けることになりました。
そこでカスタマーハラスメントの対策の一環として「業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(宅配業編)」を公表しました。
宅配業は顧客と直接一対一で接する機会も多く、個人宅などでの対応が中心となるため、カスハラが発生しやすいとされています。

宅配業におけるカスハラ発生状況

厚生労働省の調査では、過去3年間にカスタマーハラスメントを受けた経験があると回答した割合は42.6%で、約半数の従業員が実際に被害を経験しています。

職種別では「カスタマーサービス職(電話窓口)」が73.9%と最も高く、次いで「管理職」67.6%、「対面窓口」64.1%でした。
一方で、配達スタッフであるドライバーは他職種と比較して割合が低い結果となりました。

また、カスタマーハラスメントを受けたあとの対応として最も多かったのは、「社内の上司に相談した」という回答でした。
職種別に見ると、ドライバーにおいては「同僚に相談した」よりも「何もしなかった」の割合が多いことから、相談先が少ない現実が見えてきました。
ドライバーは単独で業務を行うことが多く、上司や同僚に相談しにくい環境にあるため、被害の共有が十分に行われていないのが現状です。

また、カスハラかどうかの「判断基準がわからない」(40.4%)、「対応するとトラブルになるおそれがある」(38.4%)、「対応方法がわからない」(30.7%)といった課題も挙げられており、適切な対応への判断が難しいという結果が浮き彫りになりました。

企業はどのように対策を行うべきか

過去3年間に宅配業を営む企業の従業員が受けたカスタマーハラスメントの内容としては、「威圧的な言動」(70.3%)と回答した従業員の割合が最も高い結果になりました。

カスハラに対しては企業としての対応していかなくてはいけません。
まず重要なのは、「カスハラを許容しない」という方針を明確にすることです。
カスハラに対する方針を明確化、そして社内外に発信することで、従業員の安全を守る姿勢を示す必要があります。

次に、相談体制や報告フローの整備です。現場で発生したカスハラを共有し、組織として対応できる仕組みを整えることで、従業員が一人で抱え込まずに済む環境を整えます。

判断基準や対応方法をあらかじめルール化しておくことで、現場の迷いを減らすことにもつながるので、ルールをまだ策定していない企業はこの機会に検討してみましょう。
具体的な対応方法としては、ルールを決めておくことが有効です。

・ 威圧的な言動に対しては冷静に自分の気持ちを率直に伝える
・ 執拗な要求に対しては3回以上は対応できない旨を伝える

こうしたルールを企業として決めておくことで困ったときに落ち着いて対応することができます。

また厚生労働省のサイト「あかるい職場応援団」では、営業所や社用車等に掲示する周知用ポスター、ステッカーなども配布しています。
“動画で知るカスタマーハラスメント”という項目もあるので、こちらもチェックしてみてください。

まとめ

宅配業におけるカスタマーハラスメントは、約半数の従業員が経験している深刻な問題です。
現場の努力だけで解決できるものではありません。
特に、単独での業務が多いため、従業員が孤立しやすく、適切な対応が難しい場合があります。
こうした状況を踏まえると、今後求められるのは「従業員を守る仕組み」を企業として整備し、カスタマーハラスメント対策を組織として進めていくことです。
従業員を守る、顧客との関係を適切に築くためにも、企業としての対応がこれまで以上に重要になっていくと考えられます。

<参考>
厚生労働省「業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル (宅配業編)等を作成しました」

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牧原 花林株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

前職は残業がかなり多く、長時間労働で帰宅する日々を送っていました。こうした労働環境下で体調を崩すことも多く、健康を考えるようになり、2023年にドクタートラストに入社。
自分自身の経験を活かしつつ、健康について発信していきます。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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