「定年まで働く」が減少し、「チャンスがあれば転職」増加~東商「2025年度新入社員意識調査」を解説~

2025年4月21日、東京商工会議所が「2025年度 新入社員意識調査」の集計結果を発表しました。
今回は、調査結果をもとに新入社員が働き方についてどのように考えているかを解説します。

「2025年度 新入社員意識調査」調査概要

「2025年度 新入社員意識調査」(以下、2025年度調査結果)の調査概要は以下のとおりです。

(1)調査期間:2025年4月1日~4月4日
(2)調査方法:Webアンケートシステムを利用
(3)調査対象:上記調査期間に東京商工会議所(人材・能力開発部 研修センター)が実施した新入社員研修の受講者930名
(4)回答数 :857名(回答率:92.2%)

それではこちらの調査結果を見ていきましょう。

「2025年度 新入社員意識調査」調査概要

定年まで働きたい or 転職志向

就職先の会社でいつまで働きたいかという質問に対して、2025年度調査結果では「定年まで」が24.4%となり、10年前の2015年度調査結果(36.3%)とくらべて11.9ポイント減少しました。
また、「チャンスがあれば転職」は25.7%となり、10年前の2015年度11.6%とくらべると転職志向が14.1ポイント増加しており、長期勤続の意識が低下しています。

就職先の会社を決める際に重視したこと

就職先の会社を決める際に重視したことは「社風、職場の雰囲気」(58.8%)、「処遇面」(52.7%)、「福利厚生」(44.9%)が上位となりました。

2024年度は「処遇面」(56.0%)、「社風、職場の雰囲気」(54.3%)、「福利厚生」(50.2%)であったことから、「社風・職場の雰囲気」を重視する傾向が強まっていることがわかります。
これは、社会全体の賃上げや処遇面の改善が影響したと推測されています。
また入社後、管理職を目指したいと思うかという質問に対しては以下のとおりでした。

<管理職志向>
2025年度調査結果:「管理職を目指したい」59.0%
2024年度調査結果:「管理職を目指したい」57.2%

管理職志向は微増という結果となりました。

「目指したい」理由として最も多かったのは「仕事を通じて、自分自身を成長させたいから」44.9%、「目指したくない」理由として最も多かったのは「自分には適性がなさそうだから」42.2%でした。
さらに、「理想の上司」のイメージに近い有名人・著名人も発表されており、昨年に引き続き理想の上司についてはスポーツ界・歴史上の人物、大谷翔平と織田信長が昨年に引き続き人気のようです。

さいごに

現代では転職を視野にいれている新入社員が増えてきており、転職に対するハードルも下がってきているように思われます。
また、最近では退職代行という会社を辞めたいけれど直接伝えるのが難しい場合に、専門の業者や弁護士が代わりに退職の意思を伝えてくれるサービス、労働組合が運営する退職代行や、弁護士が対応するものなど、さまざまな種類があります。
転職傾向が強い今年は転職の理由を整理し、「何を実現したいのか」を明確にすることで、ミスマッチを防ぐことができます。
企業は採用するにあたり職場の文化や働きやすさの強化や従業員の長期定着を促進する戦略を再考する必要があり、今後は時代にあった方法を模索することが不可欠になるのではないでしょうか。

<参考>
・ 東京商工会議所「『2025年度 新入社員意識調査』の集計結果について」
・ 東京商工会議所「『2024年度 新入社員意識調査』の集計結果について」
・ 東京商工会議所「2023年度 新入社員意識調査の集計結果について」

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土江 かなで株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

ドクタートラストのアルバイトを経て働きやすい環境を肌で感じ入社を決意しました。
前職では音楽業界でライブ制作に携わり、刺激的ではありましたが時間も不規則で過労で倒れる方を多く見てきたので、健康に関するわかりやすい発信をしていけたらと思います。

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