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今年の夏は海外旅行⁉備えておくべき大事なこと!
- 2023/7/25
- ドクタートラストニュース
そろそろ夏休みをとる人が増えている頃です。
「新型コロナによる制限も緩くなってきたし、今年こそは海外を旅行しよう!」と思っている人も多いかもしれません。
5月初めにWHO(世界保健機関)によって、新型コロナに関する「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言が解除され、新型コロナに関連した行動制限緩和が世界的に大きく変わってきましたね。
皆さんの企業でも「今年の夏休みは、海外へ行くぞ!」という社員もいるのではないでしょうか?
夏休みにはしっかりリフレッシュして、今後もイキイキと仕事ができるのは理想的ですが、海外へ行く社員が無事に帰ってきてくれることは最重要です。
そこで、今回は海外へ行く前、そして帰って来た時のために、あらかじめ知っておいてほしい健康に関する情報をお伝えします。
あまり海外へ行くことのない人はもちろん、仕事で海外出張が珍しくない人も、改めて身を守る情報を獲得しましょう。
海外で安全に過ごすために忘れてはならないこと
海外へ行ったことのある人なら体験したことがあるかもしれませんが、海外では日本の「当たり前」が通用しない場合もあります。
外務省の「海外安全ホームページ」には、以下のように記載されています。
<安全な海外旅行のための心得5箇条>
1. 現地の法律を守り、風俗や習慣を尊重すること。
2. 危険な場所には近づかないこと、夜間の外出は控えること。
3. 多額の現金、貴重品は持ち歩かないこと。
4. 見知らぬ人を安易に信用しないこと。
5. 犯罪被害に遭ったら:命が一番大事。
引用:外務省「海外旅行を予定されている皆様へ」
このように、現地のルールを順守し法律違反を犯さないこと、事故や事件に遭わないよう慎重に行動すること、命を守る行動などを推し進めています。
しかしこれ以外にも、命を守ることや、周囲の人を巻き込まないために重要なことの一つに、「感染症対策」があります。
海外旅行での必須事項?感染症対策の重要性
海外には、日本ではあまり感染例がない、さまざまな感染症があります。
たとえば、マダニを媒介とすることで知られる「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」という感染症は、日本でも2013年以降毎年発生が確認されています。
しかし、中央アジア、中東などでは同じくマダニを媒介としたものであっても、日本では感染例のない「クリミア・コンゴ出血熱」も発生しています。
この感染症は、感染症法において最も危険性の高い一類感染症に分類されています。
感染源はマダニのみではなく、感染した人や動物の血液や便に接触するなどもあります。
その他にも、国によっては日本には生息しない虫や動物がいたり、気候や衛生状況の違いがあったりと、海外へ行く前には念入りに感染症に対する準備を整えておくことが重要です。
海外で感染症にかかった事例
日本では、飼い犬に対する定期的な狂犬病ワクチン接種が法律(狂犬病予防法第5条)で義務付けられており、1957年以降に狂犬病の国内感染例はありません。
しかし、2020年に海外からの輸入感染例が報告されているのをご存じでしょうか。
フィリピンからの来日した30代の男性が、入国3か月後に両足首の痛みを訴えはじめ、幻覚や異常行動、発熱や意識障害を経て、最終的には亡くなりました。
狂犬病は発症するとほぼ100%死亡するといわれています。
一般的には犬に咬まれることで感染することが知られていますが、猫やコウモリなど他の動物も含め、咬まれたり引っ掻かれたりすることでも感染する可能性はあります。
出典:国立感染症研究所「日本国内で2020年に発生した狂犬病患者の報告」
海外に行く前から確認すべき情報
行先である国によって、特に注意すべき感染症は異なります。
それに伴い事前の行動や、対処方法も知っておくことが必要です。
そういった情報は、厚生労働省や外務省など国の機関でも示されています。
■ 厚生労働省検疫所「海外で健康にお過ごしいただくための情報サイトFORTH」
国ごとの感染症発生情報や、事前に接種したほうがいいワクチン情報について知ることができます。
■ 外務省「世界の医療事情」
主に発展途上国に勤務する医務官が実際に見聞きした、現地の衛生環境や医療情報を知ることができます。
また、自分自身の予防接種歴や感染症の罹患歴、できれば麻疹など過去に感染や予防接種をしたものの抗体の有無も確認しておくと、より安心ですね。
感染症によっては潜伏期間が数か月に渡ることもあるので、後から体調が悪くなった場合に備えて、「いつ」「どこで」「何を食べて」「何に触れた」なども記録しておくと、診断や治療の役に立ちます。
海外でも不安なく、そして安全に帰ってこられるよう、備えは万全にしていきたいですね。