あなたの会社の労働生産性は?「企業レベル生産性データベース」で確認してみよう!
- 2021/5/10
- 生産性向上
「労働生産性」は、働いている皆さんでしたら良く聞く言葉かと思いますが、日本は他の先進国にくらべてこの労働生産性が低いとされています。
実際、公益財団法人日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2020」によると、2019年の日本の時間あたりの労働生産性は47.9ドル(購買力平価換算で4,866円)で、OECD加盟37ヵ国中21位です。
先進7ヵ国でみるとデータ取得可能な1970年以降、ずっと最下位です。
このような状況のなか、少しでも生産性の向上を目指して、どの企業もさまざまな策を講じながら模索しているところだと思います。
今回は、公益財団法人日本生産性本部が公開した「企業レベル生産性データベース」をわかりやすくご紹介します。
☆公益財団法人日本生産性本部「企業レベル生産性データベース」☆
企業レベル生産性データベースでできること
企業レベル生産性データベースは、株式会社東京商工リサーチ提供の「TSデータベースの企業財務データ」をもとに、日本生産性本部および一橋大学大学院宮川大介研究室、学習院大学滝澤美帆研究室が構築したものです。
さまざまな企業が自社の労働生産性の現状と課題を把握し、生産性向上に役立ててもらうことを目指して公開されました。
企業レベル生産性データベースでできることは、大きく分けて2つあります。
1つめは、産業別のデータの確認です。
2015~2019年度の産業・業種別の各種データ・関連指標をダウンロードできます。
2つめは、労働生産性の計測です。
業種や自社の情報を入力するだけで、労働生産性などを自動計算して、同じ業界内でも自社がどの位置にいるのかを見られます。
それぞれ、さらに詳しく見ていきましょう。
産業別データの確認
産業別データは以下4点を選択するだけで、該当データが閲覧できます。
・ 業種(大分類、中分類)
・ 年次
・ 地方
・ 指標
労働生産性はもちろん、以下のような指標が閲覧可能です。
・ 売上高営業利益率
・ 売上高付加価値率
・ 労働装備率
・ 有形固定資産回転率
・ 有形固定資産あたり付加価値
試しに以下の条件で検索してみました。
業種:サービス産業/年次:2019/地方:全国/指標:労働生産性
パッと表でわかりやすく表示されます。
今回は指標を労働生産性だけにしましたが、複数の指標を選択することで一気に表示させることも可能です。
こちらのページで産業・業種別のデータを確認したあとは、実際に自社の労働生産性の計測をしてみましょう!
労働生産性の計測
比較対象となる業種(大分類、中分類)と、売上や従業員数などの自社の情報を入力するだけで、さまざまな測定結果を見ることができます。
試しに測定した結果画面はこちらです。
情報などは適当に入力したため隠していますので、こんなことがわかるんだという参考にしてください。
結果画面を見て、「思ったよりいろいろ測定できる」と感じました。
特に、一番下の「生産性分析(付加価値分析)による強み・弱み」は、どこをのばし、どこに力を入れて改善していくべきなのかが一目でわかり、自社の現状を把握するうえでとても参考になると思います。
もちろん自社の特徴のグラブや生産性に関する指標の業界平均との比較なども重要な測定結果です。
これから生産性向上を目指すうえでどうしていけばいいのか、そのヒントがこの結果画面ひとつに詰まっているんです!
・ 生産性向上に悩んでいる
・ いろいろ施策を打っているけれど効果をなかなか感じない
といった企業は、ぜひ一度「企業レベル生産性データベース」を確認してみてはいかがでしょうか。
生産性の向上に関しては、産業保健新聞の記事でもたくさん取り上げていますので、あわせてご覧ください。
<参考>
・ 公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較」
・ 公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2019」