ウイズコロナ時代だからこそITインフラ環境を整備しよう!

ウイズコロナ時代だからこそITインフラ環境を整備しよう!

病院やクリニックではコロナの影響を受けて、4月から初診からオンライン診療が可能になり、医療現場ではそれに対応するべくルールやIT環境の整備が慎重に行われてきました。
産業保健の現場でも、オンライン面談は従来から条件付きで認められていましたが、まだまだ不十分で、この新型コロナウイルスの騒動で「オンライン面談をもっと積極的に活用したい」「産業医側のIT環境も整備してほしい」などの声を、ドクタートラストに登録している産業医の先生方から多数聞きました。
では企業側はオンラインでの産業保健が実現できるのか、その必要性があるのか……。
今回は、元SEの視点&産業保健に携わる人間の立場から分析をしてみたいと思います。

日本はIT先進国?

日本は豊かな国であり先進国の仲間入りをしていますが、実はITに関しては他国に引けを取っています。
顕著な例が、特別定額給付金のオンライン申請を中止している自治体が相次いだ事例でしょう。
申請内容に不備がないかどうかのチェックに時間がかかるというのがその理由です。
これでは何のための申請システムなのかわかりません。
さらに、その自治体にいた保健師の人たちは口をそろえて「紙文化だ」と言います。
毎日机の上にキングファイル何冊分の書類が山積みなのだそうです。
ペーパーレスという概念はありそうにありません。
教育現場では、今年からようやく小学校でプログラミング教育がスタート。
米国・韓国はもちろんのこと、イギリス・フランスなどの欧州やインドは何年も前からスタートしています。
特に韓国やインドは10年以上前から行われており、IT先進国の礎を築いています。
ちなみに、2時間の映画が3秒でダウンロードできるという5Gのサービス開始も、米国・韓国・欧州にくらべて1年遅れています。
これらの理由から、日本はITについては先進国ではなく、後進国と言って過言ではありません。

そんななか、企業の労働力は……

ご存知の通り、日本は少子化が顕著であり、働く人が少なくなっています。
人海戦術だと生産年齢人口の低下=労働力の低下は確実ですので、人海戦術を捨ててITを導入しなければ競争力のある企業になれないのは明白です。

生産年齢人口の低下

一方、働きたいけど日本の雇用制度になじまないため、働いていないという「余った労働力」が存在するのも事実です。
子どもが小学生以上になり子育てから少し手が離れた人、定年を迎えたがまだまだ元気しかしながら再就職先がない人達などがそうです。
そういった人たちの時間を活用しての労働力確保が有効だとされています。

新型コロナウイルスを起点にITインフラを整えよう

ソーシャルディスタンスが叫ばれ、密を避ける必要があるウイズコロナ時代。
さらには上記の労働力低下の背景。
政府・行政のIT化は遅れており、企業は独自でITを推進しオンライン化を進めなければ競争力で劣る時代となりました。

また、今やSkypeやZoomがビジネスのオンライン通話の主流と言っても過言ではありませんが、5Gが整備されるとオンラインでの仕事はもっともっと当たり前になり、今よりもさらに便利で多様なツールが開発されることが予測されます。
オンライン化を進めるにあたり、まずやるべきことはインフラの整備。
つまりハードウェアの確保とセキュアなネットワーク/通信手段の確立です。
そのためには色々な助成金が活用できます。
特にテレワークにおいては東京都が補助率10/10(厚労省はマックス3/4)なので企業負担はゼロなのでおススメです。
しかもコロナの影響で申請の受付期間が2020年7月31日まで延長になりました。
詳しくは下記をご覧ください。
◆公益財団法人東京しごと財団「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金 募集要項」

最後に、多くの産業医からの声の通り、従業員の健康情報(機微な情報)を扱う産業保健の現場は、セキュリティの面からオンライン化はさらに遅れています。
繰り返しになりますが、日本全体の労働力の低下から、多様な働き方が認められるようになり、在宅勤務も増えるでしょう。
しかしながら、拠点や作業場が離れていても企業の安全配慮義務は変わりません。
社員の健康情報の取得や産業保健スタッフからの面談は、距離の近い遠いに関係なく行わなければならないのです。
オンライン化は、近い将来必ず必要な技術になります。
業務のオンライン化は新型コロナウイルスの自粛の中で浸透が進みましたが、産業保健の現場でも「今のうちに」インフラを整えてはいかがでしょうか。

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杉井 将紘株式会社ドクタートラスト 常務取締役

投稿者プロフィール

IT企業に長年従事。その際の労働環境が整備されておらず、訴えても変わらない状況から健康管理会社のドクタートラストへ転職を決意。
畑違いの業界に戸惑いつつも、ITの力を駆使して産業保健業界に一石を投じるべく日々奮闘。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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