オフィスのエアコン設定
誰かが暑いと言う社員がいる一方で、寒いと言う社員が発生する。
総務が必ずといって夏場に悩まされる問題ではないでしょうか。
衛生管理者にとって、職場環境をしっかりと整え、社員が働きやすい環境を作るのは最重要課題です。
労働安全衛生法の事務所衛生基準規則5条3項には、次の記述があります。
事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない
また職場快適基準として温度:24-27℃(夏季)、20-23℃(冬季)、相対湿度50-60%が日本では推奨されています。
ただし、上記の温度設定にしたとしても、寒いと感じる人、暑いと感じる人が一つのオフィスで入り乱れているのが現実です。
オフィスのエアコン苦労人
「冷房弱者」という言葉をご存じでしょうか。
冷房弱者とは、冷房のある環境で、体調不良等の経験があり、冷房に苦手意識を持ち、寒すぎても家族や他人を気遣い我慢してしまう人と定義されています。
オフィスワーカーのアンケート調査で、以下のようなことがわかっています。
夏場の冷房を「とても苦手」と考える人……13%
「少し苦手」と考える人……42%
また男性でも45%の人が冷房弱者であるといわれています。
オフィスのエアコン効き過ぎによる体調不良
一般に、暑い・寒いと感じる要素には6つあると言われています。
① 着衣量
② 代謝量
③ 空気温度
④ 放射温度
⑤ 気流
⑥ 湿度
この中でも管理上コントロールできるのは③と⑥、および⑤です。
⑤は、エアコンの風向きや風量調節のほか、風よけや席の配置転換などで工夫をすることが可能です。
また、近年はクール・ビズにより薄着の傾向がありますが、寒さに敏感な人は自分にあった服装を選んで、体調管理を心掛けることが肝心です。
温度差の大きい場所での頻繁な出入りは体調不良をおこす原因にもなります。
温度5℃差にご注意
特に「温度5℃差」以上の場所の出入りを繰り返すと、自律神経失調症様症状をおこし、めまいや立ちくらみなど、様々な体調不良を引き起こします。
営業職など、やむを得ず出入りの多い社員については、自分自身で体調管を心掛けるよう、社内で注意喚起していくことも必要です。
すべての社員にとって快適な温度設-難しい問題ではありますが、社員の健康状態に大きく関わる要因ですので、たかがエアコンの効きすぎと言わず、対応を考えられてはいかがでしょうか。