管理栄養士が解説!目的別プロテインの選び方!

ここ数年、商品名に「プロテイン」というワードが使われていたり、「たんぱく質○g含有」という表記がされていたりするものをよく見かけるようになり、プロテインを日常的に飲む方も増えているように思います。
そんなプロテインには、主に2つの種類があることをご存じですか?
本記事では、2種類のプロテインの特徴や、選び方についてお話します。

たんぱく質市場が急拡大

株式会社クロス・マーケティングが全国の20~69歳の男女を対象に実施した調査「健康に良い食品に関する調査(2023年)」によると、健康のために意識して取っている栄養素トップ3は、1位「ビタミン」、2位「食物繊維」、そして3位「たんぱく質」という結果となりました。
近年のたんぱく質ブームで高たんぱくを謳う商品をよく見かけるようになりましたが、この背景には以下の理由があります。

・ 「人生100年時代」「健康寿命」といった考えが浸透し、たんぱく質が健康な身体を作るために必要不可欠な栄養素として広く知られるようになった
・ 2020年からのコロナ禍において健康への意識が高まった
・ 自宅トレーニングで体づくりをする人が増えた

このような背景もあり、たんぱく質市場は2020年に2,000億円を超え、10年前の約4倍にも市場規模が拡大、現在もその状態を維持しています。

目的に合ったプロテイン選べていますか?

以前は筋トレと合わせて飲むイメージが強かったプロテインですが、美容のために朝食や間食代わりに取り入れる人も増加しています。
全国の20~60代の女性1,000人を対象に実施された調査によると、1週間に1回以上「プロテイン関連商品」を摂取する方が全体の22%にも及びました。
多くの方がプロテインを活用していますが、皆さんの目的に合った種類を選べていますか?

プロテインは主に2種類に分類されます。
動物性たんぱく質を含む牛乳が原料である「ホエイプロテイン」と、植物性たんぱく質を含む大豆を原料とした「ソイプロテイン」です。
それぞれの特徴について解説します。

ホエイプロテイン

ホエイプロテインの一番の特徴は体内での消化吸収が1~2時間と、非常に早いことです
そのため、効率よく筋肉やエネルギーになります。
運動前の摂取ではエネルギーとなり、筋肉分解を抑える効果がありますし、運動後の摂取では効率よく筋肉修復の材料になり、筋肉量アップにつながります。
また、ソイプロテインと比べて水や牛乳に溶けやすいため粉っぽくなりにくく、運動後でもさらっと飲みやすいです。
このような特徴からホエイプロテインは以下の方におすすめです。

・筋肉をつけるためにプロテインを飲む方
・習慣的な運動量・活動量が多い方

ソイプロテイン

ソイプロテインは、ホエイプロテインと反対に消化吸収に約5~6時間前後と時間がかかります。
そのため腹持ちが良く、ダイエット中の間食の置き換えとして利用するのがおすすめです
また、ソイプロテインの原料である大豆に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをします。エストロゲンには、ホルモンバランスや肌の調子を整える作用があり、美肌効果やメンタルの安定といった効果も期待できます。
さらに大豆には、LDLコレステロール値を下げる効果が期待できる「不飽和脂肪酸」が含まれ、生活習慣病予防にもつながります。
このような特徴からソイプロテインは以下の方におすすめです。

・ダイエット中の方
・美容目的でプロテインを飲む方
・LDLコレステロールが気になる方

基本的には、パッケージに「ミルク」のワードがあればホエイプロテイン、「大豆」と書いてあればソイプロテインなのですが、わかりにくいものもありますよね。
その場合はパッケージ記載の原材料名を見てみましょう。
「乳たんぱく質」という記載があるものはホエイプロテイン、「大豆たんぱく質」と記載があるものはソイプロテインです。
目的に合わせて選んでみましょう。

プロテインはあくまで補助食品

それぞれのプロテインの特徴をお伝えしましたが、もちろんメリットがあるからといってたくさん摂取すればよいというわけではありません。
プロテインの過剰摂取は、エネルギーの取りすぎや、たんぱく質過多による腎臓・肝臓への負担につながる可能性があります。商品パッケージの表記に従って摂取し、1日1杯を目安としましょう。
また、さまざまな食材を食べることで、たんぱく質だけではなく多様な栄養素を補うことができます。プロテインはあくまで補助食品と考え、バランスの良い食事を基本とした食生活を心がけましょう。

〈参考〉
・株式会社クロス・マーケティング「健康に良い食品に関する調査(2023年)」
・株式会社富士経済「タンパク補給食品市場 2023 有望カテゴリー将来予測とプロテインブームの今後」
・厚生労働省e-ヘルスネット「脂質異常症」

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佐々木ももこ株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

4年間、管理栄養士として病院や保育園で経験を積む中で、子どもたちの生活習慣や健康状態に働く世代である保護者の習慣が大きく関わることを実感、企業の健康経営に携わりたいと考えドクタートラストに入社いたしました。
経験を活かしつつ有益な情報の発信ができるよう尽力いたします。
【保有資格】管理栄養士
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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