コンタクトレンズの不適切な使用は眼障害のハイリスク要因に!~カラコン購入時にも必ず眼科受診を~

カラコンも高度管理医療機器のひとつ

現在、国民の約10人に1人が装用しているといわれるコンタクトレンズ。
なかでもカラーコンタクトレンズに関しては、視力補正を目的としない使用も年々増え、ファッション感覚で使用するアイテムとして、コンタクトレンズ市場全体で拡大しています。
コンタクトレンズの購入先は、インターネット販売店が全体の約4割と最も多く、今後も増加傾向が続くと予想されています。
コンタクトレンズは、不具合が生じた場合、人体への影響が大きいため、カラーコンタクトレンズも含めて「高度管理医療機器」とされています。
間違った使用を続けると、目に負担がかかり、眼障害を引き起こす可能性があります。
特に、カラーコンタクトレンズ装用による目のトラブルを訴える例が後を絶たず、ネット通販が定着した、ここ10年で増加傾向にあります。

コンタクトレンズに関するトラブル事例

消費者庁の事故情報データバンクには、2016 年1月から2021年7月までに、コンタクトレンズに関する事故等が 242 件、うちカラーコンタクトレンズに関する事故等が75件報告されています。
以下では、4例の事故内容をご紹介します。

◆事故情報データバンクにおける事故事例
【事例1】眼鏡店で購入したソフトカラーコンタクトレンズで左目に傷と色素沈着が発生した。(事故発生年月:2020年11月、20代女性)
【事例2】店舗で購入したカラーコンタクトレンズを装着したら目が痛くなった。角膜がえぐれていると診断を受けた。(事故発生年月:2017年10月、10代女性)
【事例3】コンタクトレンズ用消毒剤を使用後、コンタクトレンズを装着したところ、2名がびまん性表層角膜炎を発症した。(事故発生年月:2021年8月、40代男女)
【事例4】寝る際は外していたものの、1日使い捨てのコンタクトレンズを14日間使用し、右目の角膜を損傷した。(事故発生年月:2019年1月、20代女性)

このようなトラブルを防ぐためにも、コンタクトレンズを使用する場合は、以下の点に注意しましょう。

カラーコンタクトレンズのトラブルを防ぐために

1. 購入する際は、カラーコンタクトレンズであっても、まず眼科医を受診しましょう!

自分に合ったコンタクトレンズを処方してもらい、定期検診の頻度を医師と相談することが大切です。
コンタクトレンズは角膜(黒目)に直接装用するため、角膜のカーブやサイズに合わないレンズの装用により、異物感が現れたり、ずれて角膜を傷つける原因となります。
ネット通販などでは安価な商品もありますが、眼科医の処方に基づき、高度管理医療機器等販売業の許可を受けた事業者から購入しましょう。
アレルギーや極度のドライアイ、日常的にレンズケアを正しくできるかなど、個々の状態や生活スタイルに適したコンタクトレンズを処方してもらい、今後の受診頻度の指示を受けましょう。

2. 使用方法を守り、適切なレンズケアを行いましょう!

コンタクトレンズは使用期限を守りましょう。
連続装用できないコンタクトレンズを付けたまま寝てしまうなどは目のトラブルの元となります。
装用前にコンタクトレンズに破損等がないか確認しましょう。
装用後のコンタクトレンズには、目から分泌される脂質やたんぱく質、空気中のホコリ、タバコの煙、レンズを触った手指の汚れ、化粧品など様々な汚れが付着しています。
レンズの汚れが眼障害の原因にもなりうるため、下記レンズケアの基本をもとに適切に行いましょう。
コンタクトレンズと消毒液の組み合わせにより目に刺激が生じることがあります。
カラーコンタクトレンズに関しては、一部の消毒液は使用できないものもあります。眼科医の指示に従いケア用品を選択し、使用説明書の通りに使用しましょう。

<レンズケアの基本>
▪レンズを扱う前は必ず石けんで、しっかり手を洗いましょう。
▪レンズのこすり洗いは、表も裏も20~30回行いましょう。
▪レンズのこすり洗いが終わったら、必ず、すすぎを行いましょう。
※ソフトコンタクトレンズでは、水道水は使用できません。また、すすぎはレンズを装用する前にも行いましょう。
▪レンズケースは毎日洗浄して、しっかり乾燥させましょう。
※レンズケースは3ヵ月以内に新しいものに交換しましょう。

3. 目の充血や異物感、痛み、まぶしさ、かゆみなどの異常を感じたら、すぐにレンズを目から外し、直ちに眼科医に相談しましょう!

目に何らかの異常があると感じたら、すぐにコンタクトレンズを外し、眼科を受診しましょう。
使用中のコンタクトレンズが手元にある場合は、受診時に持参しましょう。
ソフトコンタクトレンズの場合は、角膜に傷ができていてもレンズが傷を覆い隠すので、軽度の傷では気付きにくく、重症化する場合があります。
医師から使用中止の指示があった場合、使い続けるのは絶対にやめましょう!

今回ご説明した内容をもとにルールを遵守し、安全にコンタクトレンズを使用して、快適なコンタクトレンズライフを送りましょう!

<参考資料>
・ 消費者庁「コンタクトレンズによる眼障害について」
・ 日本コンタクトレンズ学会「正しいコンタクトレンズのケア」
・ 厚生労働省「おしゃれ用カラーコンタクトレンズについて」

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横川 さとこ株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

調理師として料理教室で勤務後、大学へ進学し看護師・保健師の資格を取得。脳神経外科、歯科口腔外科で看護師として働く中で、予防医療に従事したいと考え、産業保健の分野に入職しました。働き世代の方々が健康で元気に楽しく働くために保健師として尽力していきたいと思っています。
【保有資格】看護師、保健師
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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