テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰とは
「輝くテレワーク賞」(テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰)とは、厚生労働省が2015年よりテレワークの活用によって、労働者のワーク・ライフ・バランスの実現を図るとともに、他社の模範となる取組を行っている企業や団体を厚生労働大臣が表彰するものです。
厚生労働大臣賞「優秀賞」と厚生労働大臣賞「特別奨励賞」の2種類があり、テレワークの活用によってワーク・ライフ・バランスの実現を図るとともに、他社の模範となる取組を行っている企業・団体のうち、その取組が優れていると認められる企業が選ばれます。
テレワークにも種類があるのをご存じですか?
テレワークと一概に言っても種類がいくつかあるのをご存じでしょうか。
主に以下の4つに分類されます。
在宅勤務
自宅を就業場所とする働き方です。
通勤時間が削減され、電車やバスなどの移動による身体的負担の軽減が図れ、時間の有効活用ができます。
モバイルワーク
電車や新幹線、飛行機の中等で行うもの、移動の合間に喫茶店などで行うものも含みます。
また、最近JRではモバイルワークを支援するため、主要な駅に「STATION BOOTH」という1人用ワーキングスペースを設置しています。
サテライト/コワーキング
企業のサテライトオフィスや一般的なコワーキングスペースで行うものです。
企業が就業場所を指定する場合や、個人でコワーキングスペースを借りる場合もこちらに含まれます。
ワーケーション
Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語でリゾートなどバケーションも楽しめる地域でテレワークを行うことを指します。
ビジネスの前後に出張先などで休暇を楽しむブレジャーもこちらに含まれ、余暇主体と仕事主体の2つのパターンがあります。
輝くテレワーク賞を受賞した取り組み
以下では、「令和4年度 テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」を受賞した企業の取り組み内容を紹介します。
厚生労働大臣賞「優秀賞」アフラック生命保険株式会社
非IT企業ながら、中期経営戦略でダイバーシティや生産性向上に向けての取り組みの一つとして、テレワークの促進を行うことを示し、煩雑なプロセスを全て排除するような改革やサテライトオフィスの設置など、あらゆる業務・意識改革を積極的に行いテレワークの制度・仕組みを定着させています。
また、テレワークを活用して地方支社勤務の女性従業員を東京本社など都市部の業務を遂行させる「リモート・キャリア」などによる女性活躍への取り組みも優れているものと評価されています。
厚生労働大臣賞「特別奨励賞」
シェイプウィン株式会社
様々なライフステージに直面しても働き続けられる環境を整えられるよう、働く時間や場所に制限なく働けるよう制度を整えた企業です。
スーパーフレックス、時短勤務、ワーケーションなどを導入することでそれぞれが調整しながら働ける環境が整い、従業員同士尊敬しあう環境を目指しています。
結果として離職率が2019年度の80%から2021年度には 25%まで低下しました。
企業のイメージアップにもつながり、求人応募数が2019年度と2021年度を 比較すると4倍に増加しています。
株式会社スタッフサービス・クラウドワーク
身体的な特性や地方の交通機関のバリアフリー化の未整備、雇用機会の不足により働き たくても働けない重度身体障がい者にテレワークで事務処理および営業支援のためのデータ作成入力、検索・調査系業務を在宅で行っています。
それに伴い就業規則も整備し、入社時には就業規則の説明会を行うなどして安心に働ける環境を整えています。
それだけでなく、多様な働き方ができるよう育児介護を要する従業員をサポートする制度、女性活躍のため、社内で情報を共有するなど、さまざまな視点で取り組むことで、社内の雰囲気の良さは社内調査により80%以上の従業員が良好な回答を示しています。
終わりに
コロナウイルス感染に伴い、当たり前の働き方は180度変化しました。
多くの企業がテレワークを導入するなど、働きやすさを目指して取り組む傾向がみられています。
こういった取り組みが、従業員の定着率や、ワーク・エンゲイジメントにつながり、企業の業績にも関わってくることは容易に想像ができます。
各企業の取り組みを例に今後も働き方の改善を検討することが必要でしょう。
<参考>
・ 厚生労働省「表彰式について」
・ 厚生労働省「輝くテレワーク賞(PDF)」