採用コスト、ご存知ですか?

3月1日より新卒採用の情報が解禁され、すでに対応に追われている人事の方もいらっしゃるのではないかと思います。
「働き方改革」が浸透し、学生さんも「働きやすい職場」を選ぶ傾向にある今、いったい私たちはどのような企業を作り上げていけばよいのでしょうか。
私個人の考えも含まれますが、今日は「働きやすい職場」について考えてみましょう。

「働きやすい職場」って何でしょう

「働きやすい職場」と聞いて、どんな意味で捉えますか?
ワークライフバランスの実現が可能だったり、適度な給与、無理のない業務量や自分の成長の役に立つ環境、人間関係、人によって優先事項は違うかもしれませんが、私は総合して「長く勤められそうな会社」という意味で捉えました。
働きやすい職場、自分にとって適した職場であれば、会社を理由としたネガティブな退職は減るように思います。
現在の売り手市場に伴い、学生さんは企業の選択に「退職率」を大事な要素として考えているケースが多いと聞きます。
退職率が高い企業には何か問題があるのではないかと考え、嫌厭されやすくなります。
また、メンタル不調や自殺といったことが頻繁に起きれば、どんな大手企業であっても白い目で見られることとなるのです。

お金で考える「働きやすい職場」が生み出すメリット

退職者が減ることによる採用による評価やの向上、引いていえばイメージの向上は企業にとって当然大きなメリットです。
現在、企業が1人を採用するのにどれくらいのコストが掛かっているのか知っていますか?
マイナビ「新卒採用の予算について」によると、1人を採用するために企業が掛けるコストは平均は約46.1万円。
上場企業の平均が42.3万円なのに対し、非上場企業は46.7万円と、かなりのコストをかけて採用活動を行っていることがわかります。
それだけの金額をかけるのですから、よりよい社員がほしいと考えるのは当然のこと。
企業イメージ向上が、よい人材の確保につながります。
また、学生が情報収集をしている就職活動の初期においては、学生に就職先として認知してもらうことが不可欠です。
先輩社員が長く勤める会社であれば後輩も興味を持ちます。
今まで優秀な人材に届けるために掛けていた広告費などのコスト削減にもつながります。

また、退職者が減るということはそれまでの育成にかけてきたコストも無駄にならないということです。
退職者が出た場合、その人に支払った給与はもちろん、その人を雇うためにかけた採用コスト、さらに外部研修、社内で研修にあたった社員が使った時間など、多くのコストが無駄になってしまいます。

「ついてこれるやつだけついてくればいい」はもう古い

ついてこられる人間がついてくればいい。
変わりはいるのだから、やめたら補充すればいい。
今でもそんな風潮が残っている企業もあるのを耳にします。
しかし、そうした風潮が強い職場には何か別の魅力がなければついてこないはずです。
働く一人ひとりが長く勤められる会社であること。
それが会社の魅力の一つであると社員が胸を張って言えること、私はそんな会社こそが「働きやすい会社」であると思います。

目を閉じて、あなたの会社について考えてみてください。あなたの会社は「長く勤めたい職場」ですか?
そして思い浮かんだ「こんなふうだったら、長く勤められるのに」という想いを、会社での実現に向けて働きかけてみてはいかがでしょうか。

【参考】
・ マイナビ「新卒採用の予算について」

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大沼 泉株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所

投稿者プロフィール

結婚・出産・育児といったライフイベントを乗り越えながら女性がいきいきと働くには、どんな職場環境が望ましいのか。ブラック企業から転職し、産休育休を経た経験をもとに、産業カウンセラー、そして働くママ社員の立場からさまざまな情報をお伝えしてまいります。
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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