春が近付くこの時期、なんとなく仕事に集中できない、ぼーっとしてしまう、という方が多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが「ポモドーロテクニック」とよばれる、生産性を向上させるための時間管理術です。
特別な準備は不要で手軽なうえ、生産性アップ効果は抜群といわれるポモドーロテクニックについて、今回ご紹介いたします。
ポモドーロテクニックとは
「ポモドーロテクニック」はイタリアの作家フランチェスコ・シリロ氏によって考案された、生産性を向上させる働き方のひとつです。
具体的なやり方は下記になります。
① 25分間思いきり集中してひとつの業務だけをやり続ける
② 5分間の休憩をとる
(※ここまでを1ポモドーロとカウント)
③ 4ポモドーロ繰り返したら30分程度の長い休憩をとる
なんと、たったこれだけです!
25分間の作業時間と5分間の休憩時間を、1ポモドーロとカウントし、4ポモドーロ繰り返した時点で30分程度の長い休憩を挟み、再び同じ工程を繰り返すという流れになります。
必要なものはタイマーのみという手軽さも魅力的ですね。
また、スマホアプリでポモドーロ専用のタイマーもありますので、より簡単に実践可能です。
ポモドーロ活用のポイント
ポモドーロは簡単に使えるテクニックではありますが、ただぼんやりとおこなうのではなく、次のようなポイントを押さえて実施することで、より生産性が向上します。
≪始業時≫
始業時にはまずその日にやるべき業務のリスト(To doリスト)を作成し、ひとつの業務につき何ポモドーロが必要か、見通しをたてる。
(例:メール対応に1ポモドーロ、会議の資料作成に3ポモドーロ、など)
≪作業中≫
・ 25分間の集中作業時間は、事前に決めたひとつの業務以外は一切やらず、作業が中断されないようにあらかじめ環境を整備しておく。
(たとえば、スマホの電源を切る、同僚に声をかけられないよう周知しておく、デスク上に「急用以外は後ほどお声がけください」といった貼り紙をしておく、など)
・ 現在自分が何ポモドーロ目なのか忘れないようにする。また、その業務に合計何ポモドーロ費やしたのかもメモしておく。
・ 25分の作業時間終了時は業務の途中であったとしても、最後までやりきらずに必ず5分の休憩時間を挟んでから続きをする。
・ 5分の休憩時間は他の業務や雑務はやらず、思いきり休む。お手洗いも休憩中に済ませ、作業時間中には行かなくていいようにする。
≪終業時≫
終業時には、それぞれの業務に対し自分が見通しをたてたポモドーロ数と実際に必要だったポモドーロ数との差を見直し、計画よりも時間がかかった場合は、その原因を考えて次の計画に活かす。
(集中力が足りず想定より時間がかかってしまったのか、計画時の必要ポモドーロ数の見積もりが間違っていたのか、など)
ポモドーロのメリットと課題
ここでポモドーロを活用するにあたってのメリットと課題をご紹介します。
≪メリット≫
① 集中して業務に取り組むことができる!
休憩時間が控えていることがモチベーションとなって思いきり集中することができ、頻回の休憩によって疲労を蓄積させずに次の業務の取り組むことができます。
また、最初に計画したポモドーロ数で終わらせるという目標があるためゲーム感覚で楽しみながら仕事ができ、自然と効率がアップします。
② 業務に費やす時間を見える化できる!
日々ルーティンとなっている業務でも、自分がどれだけの時間を費やしているのかきっちり把握できていない方は意外と多いと思います。
それを見える化することで、無駄なく、無理なく日々の業務をこなすことができます。
≪課題≫
① 4ポモドーロごとの長い休憩時間の確保が困難
一般的な会社では昼休憩以外に長い休憩時間をとるのが難しく、会社や同僚からの理解と了承を得なければ実践できません。
30分間の休憩が難しくても、10分間など少し長めの休憩時間をとる、おもいきって周囲の承諾を得るなどの工夫が必要です。
② 25分間の集中作業時間が中断されてしまいやすい
顧客対応などイレギュラー対応の多い仕事や、常に同僚との連携・コミュニケーションが求められる仕事は、自分の裁量で仕事を進めることも、ひとりで仕事に集中することもなかなかできません。
これらの業務は25分間の集中作業時間を中断されずに確保することが難しく、ポモドーロには不向きであるといえるでしょう。
ご紹介したようにメリットの多いポモドーロテクニックですが、実際に使うには少し課題もあります。
しかし、上手に活用することによって生産性が向上することは間違いありません!
曜日や時間帯を限定しながら全社的に導入するなど、できる範囲でぜひご検討いただきたいです。
また、ポモドーロテクニックは仕事だけでなく家事や勉強でも活用できますので、お休みの日やご自宅でも試してみてはいかがでしょうか。