脱・面談者0人!高ストレス者面談申出率を上げる方法
- 2019/3/20
- ストレスチェック
2015年に施行されたストレスチェック制度、私たち株式会社ドクタートラストでは、本年度もたくさんの企業に利用してもらいました。
ストレスチェックの担当者は年に一度のイベントを終え、少しホッとしているところでしょう。
従業員も3回目ともなると「あぁ、ストレスチェックね。今年もそんな時期か」と、初年度にくらべ認知度も上がり、受検率も上昇した企業も多い印象を受けています。
しかし注目すべきは受検率だけではありません。
今年度のストレスチェック、高ストレス者の面談実施率はいかがでしたか?
「面談申出者が0なんです……」
企業担当者からの問合せで、「ストレスチェックの受検は無事終わったが、高ストレス者からの面談申出がいない。何か良い方法はないか?」という声をしばしば聞きます。
通常、ストレスチェックを実施し、高ストレスと判定された方から面談申出があった場合、事業者は必ず医師との面談の場を設けなければなりません。
しかし、実際はその申出がないため高ストレス者判定となった方へのフォローができず、不安を感じている担当者も多くいらっしゃいます。
「結果を会社に知られたくない」「人事評価に影響があるのではないか」「周りにバレたくない」「形式的なもので意味がない」など、申出率が低い理由は様々考えられると思いますが、そもそも「うちの会社の産業医ってどんな人?」といった従業員がいるのも現実です。
たしかに、会ったことも話したこともない人にいきなりメンタルの相談なんてハードルが高いですよね。
今回は、「申出率を上げる良い方法はないか?」とご相談いただいた担当者に、産業医との関わり方の面で、実際に私がご提案した例を紹介します。
産業医と従業員のコミュニケーション
① 産業医の紹介文を周知
まずは、産業医の存在を従業員に知ってもらいましょう。
これはストレスチェック受検のタイミングに関わらず、産業医を選任した時点で案内するのが良いかと思います。
また、4月、新入社員の入社の際には改めて周知できるようにしましょう。
② 産業医との全員面談
産業医との面談に対するハードルを下げるために、全員面談も効果的です。
特に問題なく働いている人でも関係なく、産業医と顔合わせの機会を設けます。
やはり一度話したことのある人には、何かあった時も相談しやすいですし、何より「誰でも必ず一度は産業医と面談するもの」という認識を広めることで産業医面談に対するハードルを下げます。
面談時間は1人あたり3~5分で構いません。
特に相談事がなくても良いのです。
まずは産業医と実際に会話をし、知ってもらうことが大切です。
③ 産業医からの面談勧奨
高ストレス者へ向けて、企業のストレスチェック担当者からではなく、産業医の先生から面談勧奨に関するメッセージをお伝えする方法もあります。
ドクタートラストのWEB受検の場合、産業医からコメントをいただき、ドクタートラストのメールアドレスからそのコメントを該当する受検者へ向けてメール配信したケースがあります。
やはり、産業医の先生からのメッセージとなると気に留める方も多く、過去に申出者0名の企業でも申出が出て安心したとのお声をもらいました。
面接指導強要はNG
ただし、対象者本人が拒否した場合に、面談を強要することは絶対に行ってはいけません。
また、執拗な面談勧奨はかえってストレスになる場合もあります。
本人が自主的に面談の申出ができるように、会社と産業医の連携を取り、産業医と従業員の日頃のコミュニケーションを取る機会を設けるなど、できることはたくさんあります。
いかにして会社として取り組むかが非常に大切なものであると感じています。