新人には少し難しい仕事を与えよう~フロー理論~

4月が近づいてきました。
企業にとって、4月は新入社員の入社や新年度に合わせての人事異動等、新人を迎え入れる月です。
新人をどのように教育し、仕事を与えていくかは、新人が組織で活躍する人物に育っていくために、とても重要なポイントです。
一般的に「新人が成長していくためには、適切な難易度の仕事を段階的に与えていくことが大切だ」と言います、
今日は新人教育について、「フロー理論」に当てはめて考えてみましょう

フロー理論とは?

心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱した理論です。
この理論では、まず自身の持つ能力とチャレンジのレベルの高低によって、人の精神状態を、「不安状態」「退屈状態」「フロー状態」の3つに分類するところから始めます。
「フロー状態」とはチャレンジにのめりこむ精神状態のことで、人は自身の能力に対して、チャレンジのレベルが適度な時ほど高い集中力を発揮し、フロー状態になるとするものです。
新人への仕事の割り振りに当てはまると以下のようになります。

不安状態

自分の能力では難しすぎるような仕事を与えられると、新人の精神状態は不安状態になってしまいます。

退屈状態

自分の能力に対し簡単すぎる仕事を与えられると、新人の精神状態は退屈状態になってしまいます。

フロー状態

自身の能力に対して、少し高いレベルの仕事を与えられた時、新人の精神状態はフロー状態になり、仕事にのめりこみ、高い集中力を発揮して、楽しんで仕事に取り組みます。

みなさんも、適度に難しい仕事に取り組んでいるとき、わくわくした気持ちになったり、充実感を得たり、集中して没頭した経験はありませんか?それがフロー状態です。

新人がフロー状態に入れるようにする

高すぎる営業目標、守ることが出来ないような納期等、達成が難しすぎる仕事を与えたり、逆に、誰でもできる単純作業ばかりを振ったりすると、新人の精神状態は「不安」「退屈」になり、自分の実力を出すことも難しくなってしまいます。

新人にフロー状態に入って、どんどん成長してもらうためには、その新人の持つ能力でこなすには、少し難しい仕事を与えるべきです。
適度な難易度の仕事を与えて、新人に最大限のパフォーマンスを発揮して、成長してもらえれば、企業と新人双方にとってWIN-WINではないでしょうか?

新人が意欲的に成長できる場を整えること

新人が成長し、組織で充実して働いてもらうためには、持っている能力に対し、少し難しい仕事を与えることが重要だと私は考えます。
厳しすぎる研修を受けさせたり、達成不可能な目標を与えるといった手法をとったり、逆に新人だからと簡単すぎる仕事ばかりを与えては、成長にとって逆効果となります。
新人の能力をしっかり見極め、能力に対して、少しレベルの高い挑戦となる研修の実施や、少し難しい仕事の割り振りを行い、新人を組織で活躍する人物に、段階的に育てていきましょう。

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石津 卓也株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

楽しく働けるしくみのもとで働くことが大切だという考えを持ち、そのしくみを実現させる可能性を秘めた、情報技術に関心を持つようになりました。
現在、プログラマーとして、業務の自動化、効率化やしくみづくりを行っています。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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