コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの導入
東京商工会議所が東京都23区内の中小企業662社に2021年の5月にアンケートを取ったところ、38.4%の企業がテレワークを取り入れたと回答をしました。
前回の緊急事態宣言時、2021年1月~3月に実施した際と比べると約30%も低下し、これは業種別・従業員数別で見ても、実施率の低下は変わらず確認されました。
また、テレワークを行っている企業の6割以上は301人以上の企業で、現状50名以下の企業での実施率は3割以下と大きな差が生まれました。
テレワークを取り入れた際の、メリットやデメリット、またコロナ禍のテレワークの導入で見えてきた今後の改善点とは何なのでしょうか。
一緒に再確認していきましょう。
活かしきれていないテレワークの現状
本来テレワークのメリットとは、主に通勤時間の削減や、生産性の向上、ワークライフバランスを取りやすくなることなどが挙げられます。
今回のアンケートでも、残業時間の低下や働き方改革の進展につながったとの声も見られています。
それとは相対して半分以上の企業が、社内の情報セキュリティーに課題を感じていたり、社内のコミュニケーション不足により、逆に作業効率が低下したりしたと回答しています。
このような課題もあり、社内全体でテレワークを実施できている企業はほとんどなく、1日の出勤者を2割以下となっている企業が半数以上となりました。
業種によってはテレワーク可能な業務がない場合も挙げられますが、今回急にテレワークを取り入れた企業では、本来のテレワークのメリットを活かしきれずに課題のほうが目立ったという企業も多くあったようです。
ただ、働き方改革という言葉をよく聞くように、時代に合わせてテレワークが推奨される傾向は今後も変わらないのではないでしょうか。
その際に気を付けるべきポイントを見直しましょう。
テレワークでの課題と見直し
①不透明なまま理解しない
これまで隣に座り業務をしていた従業員が、急に眼の届かないところで業務をするようになるわけですから、コミュニケーションをとらないままに「理解したつもり」でいるのは望ましくありません。
「つもり」ではなく、双方の言葉のキャッチボールを経て現状の相違なく把握をしていくことを心がけるのが望ましいでしょう。
②習慣を作る
例えば、毎週1回は部下と上司との1対1での面談の機会を設けるなど、絶対に話せる環境を習慣として作ることで、必ず話す機会をルールとして設けることもコミュニケーション不足を避ける一つの手段になります。
③セミナーの実施
テレワークを行うと、自分の考え方に偏ってしまいがちです。
また、マネジメントの役割を担う従業員も、これまでとは違った環境で部下の管理をすることに課題を感じることも多いかと思います。
従業員がしっかりとセルフマネジメントができるように学ぶ機会を設けたり、役職者向けに部下との信頼関係の築き方や、誤解を招かない指導方法などを身に付ける機会を作ったりすることも、今後企業が取り組んでいくべき項目となるでしょう。
コロナウイルス感染改善に伴うテレワークとの付き合い方
コロナウイルス感染拡大で、企業は感染対策や三密回避など、様々な課題に取り組んできたかと思います。
最大限テレワークのメリットを活かせるように、従業員の働きやすい環境を作り、企業にとっても従業員にとってもメリットとなるテレワークの実施ができるよう、課題と改善点を見直してみましょう!