毎年4月2日は、国連が定める「世界自閉症啓発デー」です。
「世界自閉症啓発デー」の目的は、自閉症への啓発を目的とした記念日として定められ、この日は世界各国で、さまざまなイベントが開催されます。
また、4月2日から8日の期間は、厚生労働省が「発達障害啓発週間」と定め、日本全国で発達障害についての取り組みが行われます。

世界自閉症啓発デーでの主な取り組みとは？

日本全国で行われる取り組みとして、ライトアップがあります。
これは観光名所やビルなどを青色（ブルー）でライトアップするというものです。
青色は「自閉症の人の心を落ち着かせる色」であり、癒やしや希望などを表しているといわれています。
東京都では、東京ゲートブリッジと都庁舎がブルーにライトアップされます。
その他、日本各地の取り組みについては、世界自閉症啓発デーの公式サイトから確認することが可能です。

自閉症（自閉症スペクトラム症）にみられる特徴とは

これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などさまざまな呼び方をされていましたが、2013年以降、「自閉スペクトラム症」としてまとめて表現するようになりました。
特に、小さなお子さまをお持ちのご家庭においては、「自分の子どもが当てはまるのではないか？」といった不安や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

自閉症（自閉症スペクトラム症）には下記のような特徴があります

・　 言葉の発達の遅れ
・ 　コミュニケーションの障害
・ 　対人関係・社会性の障害
・ 　パターン化した行動、こだわり
参照：厚生労働省「発達障害の理解（PDF）」

実は、私には8歳になる娘がいるのですが、自閉症（自閉症スペクトラム症）の特徴があり、「精神障害者保健福祉手帳」と「療育手帳」を取得しています。
精神障害者保健福祉手帳は1級から3級まであり、一定程度の精神障害の状態にあることが認定されると発行されます。
対象となる方は下記のような特徴があります

・ 統合失調症
・ うつ病、そううつ病などの気分障害
・ てんかん
・ 薬物依存症
・ 高次脳機能障害
・ 発達障害（自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害など）
・ そのほかの精神疾患（ストレス関連障害など）
参照：厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳」

娘の場合は、この中でも「発達障害」に該当し、等級は「2級」になります。
ちなみに等級によって内容が異なります。

また、精神障害者保健福祉手帳以外にも「療育手帳」も取得しています。
療育手帳とは、知的障害のある方が、さまざまなサービスや優遇措置を受けやすくすることを目的とした手帳です。
この療育手帳は、法律で定められているものではなく、各都道府県の自治体で、判定基準等が異なります。
また、東京都においては「愛の手帳」と呼称されるなど、呼び名も異なります。
精神障害者保健福祉手帳、療育手帳ともに取得することで本人はもちろん、家族もさまざまな優遇を受けられるようになります。
精神障害者保健福祉手帳は等級に応じて所得税控除や住民税控除などの税制が優遇されたり、路線バスの運賃が半額になったりします。
療育手帳（愛の手帳）は、JRの運賃が割引になるなど、各種割引サービスを受けられるようになります。

自閉症（自閉症スペクトラム症）は周りの理解が必要

私の娘に限って言えば、幼少期の頃から日常生活において、こだわりが強く、同年代の子と馴染めなかったり、音や食べ物の温度にも敏感だったりしました。
手帳を取得する前は、普通に幼稚園に通わせていましたが、他の子との違いに違和感を覚えつつも、親としてどこか認められない自分がいたと思います。
ただ、子どもが小学生になり、求められることが多くなっていく中で、できないことのほうが多くなっていきました。
あらためて自閉症など発達障害について調べたことで、手帳の存在を知り、「取得することで、本人にとって良い方向に進んでいくのではないか？」と思うようになっていきました。
自閉症は、周りの理解が重要だと常々感じています。
本人から表立って公言することは勇気がいることだと思いますし、うまく伝えられるか不安な点もあるでしょう。
自閉症の症状は、理解しにくい点が多いかもしれません。
ただ、自分と違う症状を持つ人に理解を示していただけると優しい世界になっていくのではないでしょうか。
自閉症の人が少しでも生きやすい世の中になっていくことを心から願います。

＜参考＞
・　世界自閉症啓発デー日本実行委員会＜公式サイト＞
・　厚生労働省「4月2日は「世界自閉症啓発デー」 東京タワーにて点灯式・ライトアップを行います」