2月14日はバレンタインデー!チョコレートの変遷 ~「神様の食べ物」から「お菓子の王様」、そして「健康効果のある食品」へ~

チョコレートはいつからあるの?

本日2月14日はバレンタインデーですね!
2月に入ってからデパートをはじめ、コンビニでも多種多様なチョコレートが並んでいるのを見ます。
日頃から当たり前のように食べているチョコレートですが、いつからあるのかご存じですか?

チョコレートの原料となるカカオ豆は、現在のメキシコ南部などの地域でマヤ、アステカ文明の繁栄とともに栽培が始まり、カカオ豆は貨幣として利用されたり、儀式では「神様の食べ物」として奉納していたそうです。
上層階級の結婚式では、カカオで作られた飲み物が現代のシャンパンのような役割をしていたともいわれています。

その後もチョコレートは長い間「飲み物」として愛されてきたのですが、1800年代になると現代のチョコレートに大きく近づく4大発明が起こり、チョコレートを楽しむ形態も大きく変化しました。

<1>
オランダ人化学者のクンラート・ヴァン・ホーテンが、カカオから脂肪分を分離し、チョコレートパウダーを作ることに成功
<2>
イギリス人 ジョセフ・フライが、砂糖入りのカカオパウダーをカカオバターに混ぜ、板チョコレートを作り、世界最初の本格的な「食べるチョコレート」が誕生
<3>
スイス化学者のアンリ・ネスレが粉ミルクの製造に成功後、チョコレート製造者 ダニエル・ペーターが、チョコレートに粉ミルクを加えてミルクチョコレートを完成させる。「世界初のミルクチョコレートの誕生」
<4>
スイスのルドルフ・リンツがコンチングマシン(チョコレートの粒子を細かくなめらかにし、風味よく仕上げる機械)を発明

このようにチョコレートにまつわる多くの技術革新によりチョコレートは大きく発展し、今日のように「お菓子の王様」といわれるようになりました。

ちなみに、日本にチョコレートが伝わったのは1790年代、江戸時代です。
オランダや中国との交易の窓口であった長崎にチョコレート伝来の記録があり、「しょくらあと」という記述が残っているそうです。

バレンタインってもともと何の日なの?

2月14日はバレンタインデーですが、もともとは何の日かご存じでしょうか?

バレンタインデーの歴史は西暦270年までさかのぼります。
ローマの当時の皇帝が、強兵策の一貫として兵士たちの結婚を禁止していたのですが、これに反対したバレンタイン司祭が、皇帝の命令に反して多くの兵士たちを結婚させました。
これが皇帝の怒りを買い、殺されてしまったため、司祭の殉教の日である2月14日をローマカトリック教会で祭日としたのが始まりだそうです。
その後、14世紀頃から若い人たちが愛の告白をしたり、2月が春の訪れとともに愛の告白にふさわしい季節であることから、自然とプロポーズの贈り物をする日になったともいわれています。

日本にはじめて「バレンタイン」という言葉が登場したのは、第二次世界大戦後。
欧米のバレンタイン文化を取り入れて販売促進を行うための、流通業界や製菓業界の試みがきっかけでした。
昭和40年代には、女性が男性にチョコレートを贈るという現在の日本型バレンタインデーの様式も定着し始めたそうです。

チョコレートにはどんな健康効果があるの?

日本では例年、バレンタインシーズンにチョコレート消費量が一番多くなりますが、チョコレートは嗜好品というだけでなく、「栄養価が高い」「体に良い食品」として以前から注目されています。
それでは、チョコレートには具体的にどのような効能があるのでしょうか?

● 血圧を下げる

チョコレートの苦味や渋味はカカオポリフェノールによるもので、小腸で吸収され、血中に取り込まれます。
カカオポリフェノールには、血管の炎症を軽減させて、狭くなっていた血管を広くする効果が期待できるといわれており、血圧が下がるということが研究で分かってきています。

● 動脈硬化のリスクを下げる

カカオポリフェノールには、高い抗酸化作用があり、体内の酸化を抑える効果があります。
チョコレートを食べることで、HDLコレステロールが増加するだけでなく、LDLコレステロールの酸化も抑制させ、動脈硬化のリスクを下げることが明らかになっています。
その他、肌老化の防止やアレルギーの改善の効果も報告されています。

● お通じをよくする

チョコレートの成分であるカカオプロテインは消化されづらいたんぱく質が含まれるため、消化されずに大腸までたどり着きます。
便のかさを増やし、腸の動きを活発にしてくれます。

● 認知症を予防する

愛知県で行われた研究によると、高カカオチョコレートに含まれる高濃度のカカオポリフェノールが脳の血流量を増やし、脳の神経細胞の活性化が期待できるたんぱく質を増加させる効果があることが発表されています。
これらの結果から、認知症を予防する効果があることが示されています。

● ストレスを軽減する

チョコレートに含まれるカフェインにはリラックス効果があります。
また、チョコレートにはカフェインに似た働きを持つ、テオブロミンという成分も含まれています。
テオブロミンは、気分を落ち着かせるセロトニンというホルモンの働きをサポートしてくれるため、ストレスを軽減させると言われています。

チョコレートは1日にどれくらい食べると健康によいの?

チョコレートは嗜好品であり、病院などで処方される薬とは異なり「どれくらい食べれば健康に良い」という対象ではありません。
しかし、生活習慣病の改善などの健康効果に関する報告から、1日に少なくとも5~10g程度のビターチョコレート(1~2片程度)またはココア1杯(純ココアで5~10g程度)を毎日摂取することが効果的であると報告されています。

チョコレートなどの嗜好品の摂取量に関しては、厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」にて「菓子・嗜好飲料は食生活の中での楽しみとして、1日200kcal程度を目安に摂取しましょう」と示されています。
チョコレートやココアは、ポリフェノール以外に脂肪や砂糖・乳製品を含んでいますので、食事や嗜好品を含む全体の摂取カロリーやバランスを考えることが大切ですね。
バレンタインの機会に、健康を意識したチョコレート選びをしてみてはいかがでしょうか。

<参考>
・ 厚生労働省「『食事バランスガイド』について」
・ 農林水産省「『食事バランスガイド』について」
・ 日本チョコレートココア協会

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横川 さとこ株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

調理師として料理教室で勤務後、大学へ進学し看護師・保健師の資格を取得。脳神経外科、歯科口腔外科で看護師として働く中で、予防医療に従事したいと考え、産業保健の分野に入職しました。働き世代の方々が健康で元気に楽しく働くために保健師として尽力していきたいと思っています。
【保有資格】看護師、保健師
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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