キャリアは積み上げるのではなく引き寄せる ~今の時代でキャリア計画を立てる上で大切なこと~
- 2020/2/18
- 人材育成
皆さん、新年に今年の目標はたてましたか?
仕事のキャリア目標においては、より具体的な行動計画をたてることが求められがちではありますが、今日はそれだけではない、キャリア計画を立てるにあたっての大切な視点のご紹介です。
VUCAの時代に必要なのは計画性ではない?
「キャリア形成の8割は『偶然』によってつくられている」
これはスタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授が提唱した「計画的偶発性(Planned Happenned)」理論の考え方で、キャリアのほとんどは予期しない出来事や偶然の出会いによって決定されているというロジックです。
「たまたま」「偶然にも」
たしかに、偉業エピソードでこういった言葉は実際によく聞かれます。
長くキャリア形成とは、自身の意思でコントロールし「積み上げていくもの」という考え方が一般的でした。
変化が少ない時代においてのキャリアとは、先を見通すのも容易であり、綿密な行動計画と実効性で一歩一歩、ミルフィーユ的に積み上げていくイメージのほうがしっくりきたのかもしません。
しかしながら時代は変わり、昨今はVUCA(※)と呼ばれる偶有性の時代になりました。
あらかじめキャリアを計画したり、計画したキャリアに固執したりすることは非現実的であり、すべきでない、とクランボルツ教授は指摘したのです。
もちろん、計画性自体を否定するものではありませんが、それに捕らわれ、縛られることは避けるべきということです。
変動が激しく、スピードも加速している今、キャリア形成に必要なのは綿密な行動計画よりも、むしろ偶然のチャンスを見逃さず、そのチャンスをつかむことだと考えられるようになったのです。
ではそのチャンスをつかむにはどうしたらいいのか、ということで掲げられたのが5特性「好奇心」「持続性」「楽観性」「柔軟性」「冒険心」です。
キャリア形成に必要な「偶然を引き寄せる力」
5特性からみてもわかるように、今の時代のキャリア形成において必要な「能力」は「偶然を引き寄せる力」とも言えるでしょう。
偶然を「待つ」のではなく、偶然を「引き寄せる」。
自身の方向性を持ちながら、オープンマインドを持ち、アンテナをはっておく。
そういったあり方が、偶然を引き寄せる。
そして、ひとたび「偶然」を引き寄せたら、それを意図的な機会へと変えていく。
今後のキャリア形成は、そういったマインドのもとで開かれていくのでしょう。
キャリアに必要なのは、遠回りできる時間と心の余裕
そこで気をつけたいのが、すぐにスマホで検索して答えを出す行動。
友人同士でおしゃべりしている中、さほど答えなんて必要ではない会話でさえすぐにスマホで答えを検索してしまったり、ということはないでしょうか。
そういった行動が身についてしまっている人は要注意です。
「あーでもない」「こーでもない」と考え、答えに最短距離を求めないその行動こそ、新たな気づきや発見の「偶然」を引き寄せるのです。
また、目標をたてる時も、Doing(何をするか)だけではなくマインドとして Being(どうあるか)目標も立てることをお勧めします。
今はとにかく効率性が求められますが、目的志向・最短距離志向に雁字搦めになっていないでしょうか。
キャリアとは、結果ではなく、まさにその過程。
その過程において、心を開き、人・ものと交わることで結果がついてくる。
キャリアとは、開かれたマインドによって引き寄せられ掴んでいくものではないでしょうか。
※VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)