食欲の秋 食べ過ぎが深刻な病気を引き起こす

「食欲の秋」の言葉どおり、秋は、食欲や食べ過ぎについて話題になりやすい季節です。
今回は、秋に食欲が増す理由や、その影響について考えてみます。

食欲が増えるメカニズム

秋に食欲が増える理由として、主に2つ挙げられます。

1 日照時間の減少
セロトニンという、心のバランスを整える作用のある伝達物質が関係しています。
セロトニンは、太陽光を浴びることで、交感神経系が活性化し、脳内で分泌が促進されます。
夏から秋にかけて日照時間が減少することで、夏にくらべてセロトニンの分泌が減少します。
日照時間が短くなることで減少したセロトニンを補うために、食べることで心のバランスを保とうとしていると考えられます。

2 基礎代謝の上昇
一般的に、夏の暑い季節から徐々に気温が低くなると、人間は体温を保つために自然と基礎代謝があがります。
体温を保つためのエネルギーは食事を摂取することで増えるため、基礎代謝が上がった分のエネルギーを補充しようと、食欲が増えていると考えられます。

食べ過ぎが病気をもたらす

先に述べたように、体は減った分のセロトニンを増やすために食欲を増すように変化していきます。
それでは、食欲に任せて毎回の食事を満腹まで食べ続けた場合どうなるのでしょう。
満腹まで食べ過ぎてしまうと、消化するために多くのエネルギーが必要になり、胃に負担がかかります。
消化できる限界量を超えて食べた場合、胃は食物を消化しきれず、胃もたれを引き起こします。
また、食べ過ぎは血液を汚す大きな要因でもあります。
必要を上回る栄養物質を摂取すると、過多となった栄養物質が、使われることなく血液中にあふれ、ドロドロ血液になってしまいます。
消化不良となった食物が腸内に残ると、宿便として腸内に残留することとなり、便秘の原因になるだけでなく、それらの有害物質が腸を通じて血液に溶けてしまい、血液を汚すという流れになります。
通常血液は、必要な栄養素や水分、酸素などを運搬する働きをしています。
しかし、血液が汚れると働きが低下してしまうため、全身をあげて血液を浄化しようと働き始めます。
血液の浄化機能が追い付かなくなると、発疹、皮膚や器官の炎症、動脈硬化などの症状が出る場合もあります。

食後の眠気は危険

食後は血液が、胃や腸に集中し、脳の血液量が少なくなるため、眠くなることは誰しもあります。
もし、仕事がはかどらないほどの猛烈な眠気が続く場合には、「食後高血糖」と呼ばれる状態になっている可能性が考えられます。
この状態は糖尿病の早期に見られるのですが、一日中血糖値が高いわけではないため、健康診断では正常と判定されることもあり、見落とされるケースが多いようです。

腹八分目を意識しましょう

「腹八分目に医者いらず」ということわざがあるように、食べ過ぎはさまざまな病気の引き金となる血液の汚れをつくりだしてしまうため、医学的にもは正しいのではないでしょうか。
食べ過ぎることのリスクを理解し、量をコントロールして食事を楽しみましょう。

また、セロトニンの分泌を促す方法としては、食事の際の咀嚼、腸内環境を整えるなどの方法があります。
食事の際に意識的に噛む回数を増やすことで満腹感を感じやすくなりますし、乳酸菌の摂取などで腸内環境を整えることで、便通も整いやすくなります。
腹八分目と合わせて、ぜひ意識してみてください。

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服部 恭子株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

漠然と世の働く人全体を支える仕事がしたいという思いで就職活動を進めるなかで、「健康で元気にはたらく人を増やす」という理念を掲げるドクタートラストに惹かれ、新卒で入社。約1年間営業として活動したあと、産休育休を経て、営業事務、ストレスチェック実施事務に従事する。
現在はチーフアナリストとして、ストレスチェックのデータ分析を行いながら、コンサルタントをサポートする。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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