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勤務間インターバル制度の今後に注目!
- 2017/8/29
- ワークライフバランス, 働き方改革, 労働環境, 未分類
最近ニュース等で度々取り上げられている、過重労働問題ですが、日本では【勤務間インターバル制度】があることを皆さんご存知でしょうか?
本年3月に政府が発表した「働き方改革実行計画」にも、新たに企業の努力義務として盛り込まれました。
勤務間インターバル制度とは、勤務の終了後から次の勤務開始までに一定時間以上を空けることで、従業員の睡眠時間や休息時間等を確保する制度となります。
※ 当サイトでも過去に掲載させていただきましたので、詳細は下記リンクからご参照下さい。
① 【日本企業も「勤務間インターバル制度」を!】2016/12/15掲載
②【勤務間インターバル制度導入企業に助成金支給】2016/12/15掲載
しかし、2015年度の過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業(厚労省委託調査)では、勤務間インターバルを導入している企業はわずか2.2%と限りなく少ないのが実態です。
勤務間インターバル制度の導入を難しくしている「企業の課題」とは、一体何なのでしょうか。
導入への課題とは?
① 大手企業しか導入が出来ない
インターバル制度を導入した場合、人員不足が最初の壁となります。
人員を容易に増やせるような体力のある企業であれば良いのですが、そうでない場合はなかなか導入が困難なのが現実です。
② 仕事への考え方の相違点
ヨーロッパでは、労働者の心身の健康と安全の保護を目的に1993年に制定された「EU労働時間」(2000年改正)に規定され、すでに定着している制度となります。
その理由として、ヨーロッパの場合は職務給制度が多く採用されており、各々の仕事が明確化されていることが挙げられます。
対照的に、日本の場合は各々の仕事が不明確であり、かつ担当者でしか把握できていない業務が多数存在するケースが多く見られます。
その為、インターバル間の仕事の引き継ぎや不在時の対応の仕方などを考えた場合にも、少なくとも「今の」日本型雇用慣行の中で、導入するハードルは上がるのではないでしょうか。
今後の動向は?
すでに政府は労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げ、制度の普及促進に向けて動き始めています。
上記リンクでもあるように、同制度を導入する中小企業への助成金の活用や好事例集の周知を通じ、取り組みを推進しています。
さらに導入を促す仕組みとして、労働時間等設定改善法(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法:平成18年施行)第2条に、企業の努力義務として新たに「終業時刻及び始業時刻」の項目を設けています。
また、同法に基づく指針には、「前日の終業時間と翌日の始業時間の間に一定時間の休息時間を確保すること(勤務間インターバル)は、労働者の健康確保に資するものであることから、労使で導入に向けた方策を検討すること」等を追加しています。
導入の普及に向けて、政府の政策は勿論、各企業でも導入する為の工夫が必要不可欠かもしれません。