入社後に太る社員が6割?若年層のメタボ放置が企業のパフォーマンスを下げる

社会人になって数年、気づけば学生時代より体重が増えている――。
そんな経験を持つ20代の社員は少なくありません。
実際、若手社員は入社後の数年間で体重が増えやすいことが東京都心の事業所に所属する35歳未満のオフィスワーカーを対象とした調査をはじめ複数の調査でも示されています(※1、2)。
特に男性ではその傾向が顕著で、25〜34歳の男性を対象にした研究では、就職後に3kg以上増えた人が約6割、10kg以上増えた人も4割以上という結果が報告されています(※2)。

若年層の体重増加は、単なる「見た目の変化」ではありません。
では、なぜ企業が若年層のメタボ改善指導に取り組むべきなのでしょうか。
実際に40歳未満の若年層への保健指導を行い、企業の健康課題にも向き合ってきた管理栄養士の視点から、その理由を紐解いていきます。

なぜ若手社員は太るのか

社会人になった若手社員の体重が増えやすい理由は、いくつかの構造的な理由があります。
人の意思や努力だけではどうにもならない、働き方そのものが背景にあります。
保健指導ではたとえばこのような方が多くみられます。
学生から社会人になると、生活は規則的になる一方で、活動量が大きく減るという変化が起こります。
学生時代にスポーツをしていた人ほど、このギャップは大きく、食事量は変わらないのに、運動する時間が一気に減ったという声はよく聞かれます。
食事量が変わらないのに運動量が低下すると、摂取カロリーが消費カロリーを上回り体重が増加します。


実際、若年男性を対象にした研究では、以下の生活習慣が、10kg以上の体重増加に強く影響していたことが示されています(※1)。

 食べるスピードが速い
 満腹まで食べる
 汗をかく運動をしていない
 夕食から就寝までの時間が1時間未満
 からだの悩みを強く感じること

さらに夕食から就寝までの時間が1時間未満であることや、からだの悩みを強く感じることはメンタル面での不安も抱えやすいことも指摘されています。
つまり、体重増加は単なる生活習慣の問題ではなく、心身の負担が積み重なった結果でもあるのです。

若年層の体重増加が企業にもたらす影響

若手社員の体重増加は、個人の健康問題にとどまりません。企業にとっても、見えない形でさまざまな影響を及ぼす重要な課題です。
影響する内容として、生活習慣病に移行したり、重症化することだけでなく、社員の生産性の低下、メンタル不調・離職のリスク、採用・定着率にも影響する可能性があるでしょう。

若手社員の健康を守るために企業ができること

若手社員の体重増加や生活習慣の乱れは、個人の努力だけで解決できるものではありません。企業としての支援も重要になります。
残業の抑制や休憩の取りやすさ、食事や運動の習慣づくりを後押しする仕組みや施策も効果的です。
実際に「産業保健新聞」を運営するドクタートラストでも、ヘルシーな冷凍弁当や野菜のおかずを社内で販売したところ、残業時にそれらを活用して夕食をとる社員が増え、食事の時間や質を保ちながら働ける環境づくりに役立っています。
体重増加はメンタル面の不安とも結びつきやすいため、相談しやすい環境づくりやストレスケアも重要です。
しかし、これらの施策を企業の担当者だけで全て回していくのは現実的に負担が大きいのも事実です。
そして、 すでに体重増加している、血圧が高い、コレステロールが高いなど、すでに生活習慣病予備軍であるハイリスク層は一定数存在し、そこに個別にアプローチするのは専門性も時間も必要になります。
そこで効果を発揮するのが、若年層への保健指導です。
ドクタートラストでは、若年層特有の生活習慣や働き方に合わせた保健指導を実施しており、オンライン対応や個別フォローを通じて、体重や検査数値の改善、企業担当者様の負担軽減にもつなげています。

若手の健康を守ることは、企業の未来を守ること。 そのための実効性ある手段として、若年層保健指導は非常に有効です。
40歳以降では、生活習慣が形成されているため、生活習慣の改善がなかなか難しいケースも多いです。
そのため、20代~30代の若いうちに生活習慣を整えておくことで、将来の特定保健指導対象者や生活習慣病重症化を減らすという長期的なメリットもあります。
企業にとっては、健康リスクの高い層を早期に減らし、将来の負担を軽減することにもつながります。若手の健康への投資は、企業の未来を守る最も確かな一手です。

<参考>
※1:堀三郎「若年オフィスワーカーの体重増加に関連する要因」(『総合健診』2013 年40巻2号、259~265頁)
※2:田甫久美子、稲垣美智子「若年男性労働者が就職以降に体重増加・肥満に繋がる要因とその背景-特徴的な思考・行動パターンによる若年男性肥満労働者の類型化-」(『日本看護研究学会雑誌 』2009年32巻5号、39~49頁)
※3:ヒューマンホールディングス株式会社プレスリリース「Z世代の仕事観と自分らしさに関する調査2025 vol.1」

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宮野 友里加株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

実家の日本茶専門店と兼業しながら年間100人以上の特定保健指導、ダイエットサポートを食事面、運動面から行う管理栄養士。
食事に関するアドバイスはもちろん、自分自身がデスクワークを始めてから悩まされている「肩こり・腰痛」「目の疲れ」の予防、改善方法についてもセミナーや執筆活動を通して積極的に情報提供している。
目標は「働く世代の方々にとってが管理栄養士が身近な存在になること」
【保有資格】管理栄養士
【より詳細なプロフィールはこちら】
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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