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キャリア形成への意識高まる~第15回働く人の意識調査~
- 2024/9/27
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公益財団法人日本生産性本部(東京都千代田区、理事長:前田和敬)は7月29日、新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響の継続調査(第15回「働く人の意識調査」)結果を取りまとめ、公表しました。
調査の目的
この調査は、日本における労働者の意識や働き方に関する現状を把握し、経済状況や社会的要因が労働者の意識や行動にどのような影響を与えているかを明らかにすることを目的としています。
具体的には、以下の点を中心に調査が行われました。
経済状況や景気に対する認識:労働者が現在の経済状況や将来の景気動向をどのように捉えているかを分析
雇用や労働環境に関する意識:雇用の安定性、労働時間、業務量、ワークライフバランスなどに関する労働者の満足度や不安を評価
社会制度や政府への信頼感:医療、年金、教育などの社会制度や政府の政策に対する信頼度を測定
キャリア形成と働き方の多様化:兼業・副業への関心、リスキリング(再教育)の意欲、リモートワークの受容性など、新しい働き方に対する意識を調査
健康と働き方:コロナ禍を経て、労働者の健康意識やメンタルヘルスに関する状況を把握
2024年7月現在の状況
調査結果から、2024年7月時点での日本の労働者の意識や状況について以下のような傾向が明らかになりました。
経済状況と景気の見通し
多くの労働者が経済の停滞感を感じており、特に中小企業に勤務する人々の間で将来の景気に対する不安が高まっています。
インフレや物価上昇に伴う生活コストの増加が、家計に圧力をかけているとの声が多く聞かれました。
雇用環境と労働条件
正規雇用の安定性に対する信頼感が低下しており、非正規雇用や契約社員の増加が続いています。
労働時間の長時間化や業務量の増加を感じている人が増えており、過労やストレスに関する問題が顕在化しています。
一方で、一部の企業では働き方改革が進み、フレックスタイム制やリモートワークを導入する動きも見られました。
社会制度と政府への信頼
年金制度や医療制度に対する将来的な持続可能性への懸念が高まっており、特に若年層でその傾向が強いです。
政府の経済政策や社会保障政策に対する不満や不信感が拡大しており、具体的な改善策を求める声が多く上がっています。
キャリア形成とスキルアップ
兼業・副業への関心が引き続き高まっており、収入源を多様化することで経済的安定を図ろうとする動きが見られます。
デジタルスキルや語学力など、自己投資を通じて市場価値を高めようとする人々が増加していますが、その一方で時間や費用の面で障壁を感じる人も多いです。
健康とメンタルヘルス
過労や長時間労働に起因する健康問題やメンタルヘルスの悪化が深刻化しており、企業によるサポート体制の強化が求められています。
健康的な働き方やワークライフバランスを重視する傾向が強まっており、福利厚生の充実度が企業選択の重要な要素となっています。
テクノロジーと働き方の変化
AIや自動化技術の導入が進む中で、自身の仕事がテクノロジーに代替されることへの不安を感じる人が増えています。
テクノロジーを活用した効率的な働き方への適応や、新しいスキルの習得が求められる状況となっています。
さいごに
全体として、2024年7月時点の日本の労働者は、経済や雇用の先行きに対する不安を抱えつつも、自身のキャリアや生活を向上させるための努力を続けている状況が浮き彫りになりました。
社会や経済の急速な変化に対応するために、政府や企業が労働者を支援する具体的な施策や環境整備がこれまで以上に重要となっています。
この調査結果は、今後の政策立案や企業戦略の策定において、労働者のニーズや課題を的確に捉えるための重要な指標となるでしょう。
<参考>
公益財団法人日本生産性本部「第15回 働く人の意識調査」