家庭内感染を最小限にする子どものケアのポイントとは?今すぐ守りたい3つのこと

新型コロナウイルス感染症の第6波のピークは過ぎたものの、第5波のような終息はみられず、依然として高い水準で感染が続いています。
感染者は現在もやはり若い世代が多く、年代別では20代が最多です(本稿執筆時点)。
また、「10歳未満」と「10代」の”子ども”の感染者も引き続き多くみられています。
保育園や幼稚園、学校などで感染するケースが非常に多い中、特に未就学〜小学校低学年ころまでは完全に隔離することが難しく、子どもからの家庭内感染は避けて通れないといった問題があります。
今回は、子どもが先に感染者となった場合、こまめな消毒やできる限り生活の動線を分けるなどに加えて、少しでも家庭内感染拡大のリスクを減らすためにできることをわかりやすくご紹介いたします。

家庭内感染を防ぐ看病のポイント①複数で看病しない

まず、「看護者を一人に決める」ということです。
子どもは体調が悪くなるといつも以上に手がかかり大変になりますが、お父さん・お母さんをはじめ大人が交代でお世話をしてしまうと、全員の感染リスクが高まります。
この場合は交代で協力して看護をするよりも、直接的に子どもの看護をする人を一人決めてしまったほうが家庭全体での感染リスクは低くなります。
一言で「看病する」といっても、子どもに直に接する看病と、食事の支度・洗濯などの家事をする間接的な看病があります。
両親もしくは複数の大人がいる場合は、直接的なお世話をするのは一人にとどめ、残りは間接的なお世話(家事など)と分担し、直接関わらないようにすると良いでしょう。

家庭内感染を防ぐ看病のポイント②「できる側」を隔離する

次に「小さな子どもを隔離するのではなく、隔離できる大人や他の兄弟を隔離する」という方法もあります。
未就学の小さなこどもを隔離するのは、よほど大きな家でないと不可能に近い話です。
しかし、ある程度の年齢になった子どもや大人は自室で過ごすこともできます。
小さな子どもや他の兄弟がいる場合、また高齢者や基礎疾患のある方と同居していて感染への不安がある場合などは、小さな子どもの隔離に苦心するよりも、ある程度理解・行動できる人間が隔離生活をするほうがスムーズにいくこともあります。

家庭内感染を防ぐ看病のポイント③ゴミの処理とタオルの使い回しに注意

鼻をかんだティッシュ、使用したマスクなどのゴミを適切に処理しましょう。
唾液や鼻水はウイルスの宝庫ですから、レジ袋のような小さなポリ袋をゴミ入れにしてきちんと口を縛ってから処理します。
さすがに1回鼻をかむごとに新しいゴミ袋を使うわけにはいきませんが、隔離している部屋があれば、その部屋以外のゴミ箱にはゴミを捨てないようにして、処理をする際は使い捨ての手袋をしましょう。
特に小さな子どもの看病をする際には、親が鼻をかんであげることも多いので、手にウイルスが付着しやすくなります。
こまめな手洗いと、その後のティッシュの捨て方に気をつけてください。
手を拭くタオルやバスタオル、洗面用タオルなども、家族で使いまわさないようにして、「感染者用」「看護者用」「他の家族用」と分けるのがベストです。
経済的ではありませんが、一時的なことと割り切ってペーパータオルを使用するのも良いでしょう。

子どもからの家庭内感染を100%防ぐことは非常に難しいです。
しかし、感染を最小限にとどめるためにできることはあります。
マスクに意味がないという意見も度々見かけますが、家庭という狭い空間の中で、目の前に感染者がいる時にできる基本的なことは、やはり「手洗い・マスク・換気」です。
街中で「感染者がいるかいないかわからない状況」と家庭内の「至近距離で感染者と接する状況」ではマスクの必要性がまったく異なります。
100%でなくても咳やくしゃみの時の飛沫の飛ぶ量・距離を減らし、看護者側の鼻や口に付着するものを軽減させてくれます。
ゼロリスクにはできなくても、リスクを減らすことが大切で、これはコロナ以前からずっと医療従事者がやっていることです。

①感染者と接する時はマスクをする
②感染者と接した後は手を洗う
③適切に換気する

自宅にいるとつい気が緩みがちですが、ぜひ今回ご紹介した「看病のポイント」を参考にしてください。

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田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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