子どもから相次いで家庭内感染!待機期間はどうなるの?
- 2022/3/25
- 新型コロナウイルス
少しずつ減ってきたものの、新型コロナの感染者数は依然高い水準で経過しています。
そんな中、「療養期間が長くて大変だった」「家族が次々に感染して、数週間濃厚接触者になってしまった」という声を耳にするようになりました。
一人暮らしの方にとっては、療養中の身の回りのことに対する不安がありますが、逆に家族が多い場合は次々と感染したらどうしようという不安があるのではないでしょうか。
インフルエンザのように「解熱後2日かつ発症から5日」というように出席停止期間が定められている感染症は他にもありますが、「濃厚接触者」の待機期間が設けられたのは新型コロナウイルス感染症が初めてです。
今回は、感染してしまったら、濃厚接触者になってしまったら、どのように行動したらいいのか解説します。
療養は10日間、待機は7日間が原則
①自身が感染したとき
発症日を0日目とカウントして10日間の療養(症状消失から72時間以上経過していること)が定められています。
②濃厚接触者となったとき
最後に接触した日を0日目として7日間の自宅待機とされています。
同居家族の場合は、適切な感染対策を開始した日を0日目として7日間となります。
※3/21現在、「5日目のPCR検査(抗原検査も可)で陰性」もしくは「4日目・5日目の抗原検査で陰性」なら解除可能。
エッセンシャルワーカーの場合は「5日間毎日検査を受けながら勤務可能」となっています。(以下③④の場合も同じ)
これらはまだわかりやすいのですが、家族が感染者となり、その後複数の家族が発症した場合は少し複雑になります。
家庭内感染でずっと濃厚接触者に……
③同居家族の感染後に、別の家族も感染したとき
この場合は、子どもの感染が判明して適切に隔離や感染対策がなされた日を0日目として自宅待機開始となります。
その後、時間差で配偶者が発症すると、一度待機が0日目に戻って再カウントすることになります。
最終的に自分が発症しなくても9日間の自宅待機となります。
④同居家族が相次いで感染し、最後に自分が感染した場合
この場合は、同居家族内で発症者がでるたびに待機期間が0日目に戻り、自分が最後に発症すると、最初に濃厚接触者となった日から約2週間も社会生活がストップすることになります。
感染した時の対策も必要に
家族が多いと、療養中に助け合えたり、異変に気付きやすいという面がある一方、家族内で次々と感染した時には、長期間にわたって学校や仕事などの社会生活が止まることになります。
厚生労働省の調査によると、オミクロン株の感染から発症までの平均日数は3.0日。
発症者の97%が待機5日目までに発症するというデータが出ています。
もし今後、第6波を超える流行が起こった場合には、今のまま「7日間の待機」では社会が機能しなくなることも十分に考えられます。
3月16日付で、条件付きで5日間への短縮やエッセンシャルワーカーは検査を受けながら勤務可能などの変更がありましたが、検査を受けて短縮する場合や勤務を継続する時の検査費用の負担、検査を実施する医療機関の受け入れ問題、市販の抗原検査キットの需要増・精度の問題など、まだ問題が残っていると感じます。
今の制度では、濃厚接触者となった場合の医療機関でのPCR検査・抗原検査費用は公費となり、自己負担はありません。(公費の対象は検査のみなので、診察料などは1割〜3割で自己負担となります)
しかし、エッセンシャルワーカーが5日間連続で検査を受けて出勤することになった場合、5日間すべては公費とならず、通常2回分まで(月に2回まで)なので、残り3日間の検査費用は実費となります。
医療機関を受診せず、市販の抗原検査キットで対応した場合は5回分全て実費です。
この費用を誰が負担するのか、社会機能を維持するために勤務を継続するのにお金を払わなくてはならないのか、など新たな課題が出て来るでしょう。
誰が感染してもおかしくない状況となった今、家庭や職場において、誰かが感染した時にどう対応するのか、労働者側も使用者側も事前に準備やシミュレーションしておく必要がありそうです。