寝だめでスッキリしないのはなんで?アクティブレストを取り入れて疲労回復!
- 2022/3/23
- 睡眠
皆さんは休日をどのように過ごしていますか。
平日の疲れを解消するために寝だめしたり、テレビを見てだらだら過ごすという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、こうした休み方だけでは疲れをとるために効果的とは言い切れず、逆に疲労感やだるさを起こす可能性もあります。
今回は、明日からの活力にすぐつなげられる「休養方法」をわかりやすく解説します。
休養で大切にしたい「休む」と「養う」
休養には「パッシブレスト」と「アクティブレスト」の2種類があります。
パッシブレスト:消極的休養ともいい、体を動かさず、何もしないことで体を休ませる方法(睡眠など)
アクティブレスト:積極的休養ともいい、身体を軽く動かすことで全身の血行を改善し、疲労物質の排出を促すことで疲労回復させる方法
また、厚生労働省「休養・こころの健康」では、「休養」には、次の2つの側面があるとしています。
1つ目は、仕事や活動によって生じた心身の疲労を回復し、元の活動できる状態に戻す「休むこと」、2つ目は、明日に向かっての鋭気を養い、身体的、精神的、社会的な健康能力を高める「養うこと」です。
あわせて、今日の健康ばかりでなく、明日の健康を考えて自分を見つめる時間をつくったり、趣味やスポーツをしてからだを動かしたり、ボランティア活動などで積極的に過ごすこと、身の回りの人間関係や自分の心身を整え、将来への準備をすることなどが真の休養につながるとされていて、単にごろ寝をして過ごすだけでは真の「休養」とはならないとしています。
これらを踏まえると休養は、パッシブレストだけでなく、アクティブレストの考え方を取り入れることが重要だとわかりますね。
週末、1日中ゴロゴロして休んだつもりが逆に心身ともにだるさを感じてしまうのは、「養うこと」、つまりアクティブレストが不足しているためといえるでしょう。
運動すれば幸福になる?
余暇に身体活動(ウォーキングをはじめとする運動や身体活動)を活発に行っている群と行っていない群で、2年後に「自分が幸福と感じるか」を調査したところ、後者は前者にくらべて、自分が幸せと感じているひとの割合が少なく1.5倍もの損失リスクがあると判明しています。
また、同調査によれば余暇身体活動が不活発だった人が、活発になったことで、「自分が幸福と感じる」人の割合が増え、幸福感の損失リスクは3分の1減少しました。
この結果から仕事の合間や休日の過ごし方として、単に休むだけでなく、積極的にからだを動かすことは、メンタルヘルス対策にも有効といえます。
わざわざ外に出なくてもOK!生活の中にアクティブレストを取り入れよう
前述のとおり、アクティブレストは、身体を軽く動かすことで全身の血行を改善し疲労物質の排出を促し、疲労回復に役立ちます。
わざわざ外に出て運動をしなくとも、「同じ姿勢でいることを避ける」、「からだをこまめに動かす」などもアクティブレストといえるでしょう。
ずっと同じ姿勢でパソコンに向かっていがちな方は、以下のアイディアをぜひ生活に取り入れてみてください。
<デスクワークでもこれならできる!アクティブレストのアイディア>
・ 30分~1時間に1回は立ち上がり、からだを伸ばす(習慣づけのために、パソコンやスマホでリマインド機能を設定しておきましょう)
・ 移動はエスカレーターやエレベーターを使わず、階段を使用する(階段があった場合、運動できるチャンスとポジティブに捉えましょう)
・ 肩や腕を回しながらお手洗いに行く
・ 座りながら、かかとの上げ下げを行う
・ 肩が凝ってきた、疲れてきた、痛い、と感じる前に肩回しをする癖をつける
コロナ禍以降、ジムを控えるようになった、旅に行けなくなったなど、外に出る機会が減り、代わりに自宅でテレビやスマホを見て過ごすことが多くなってしまい、「アクティブレスト」が減った方は、自宅内で工夫してストレッチや運動をするのもおすすめです。
明日からの仕事に活力をつけるために、今一度、休み方を見直してみませんか?
<参考>
・ 厚生労働省「休養・こころの健康」
・ 江口泰正、中田由夫編著『産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方』(大修館書店、2018年)
・ 杉田正明、片野秀樹編著、一般社団法人日本リカバリー協会監修『休養学基礎: 疲労を防ぐ! 健康指導に活かす』(メディカ出版、2021年)
・ Feng Wang、Heather M Orpana、Howard Morrison、Margaret de Groh「Long-term Association Between Leisure-time Physical Activity and Changes in Happiness: Analysis of the Prospective National Population Health Survey」(「American Journal of Epidemiology」2012年11月)