食生活に気をつけて、清く正しい生活を送っていても「ケガをしない」「病気にならない」「病院のお世話にならない」とは言い切れません。
実際に筆者も先日、手術のために数日入院しました。
慣れない入院や手術に対する不安もさることながら、「いくらかかるんだ?」と金銭面も気になるところです。
健康保険が適用されて3割負担で済むとはいえ、ただの通院とは費用感が変わってきますよね。
こんなときに知っていると大いに助かるのは「高額療養費制度」と「限度額適用認定証」です。
高額療養費制度と限度額適用認定証って何?
「高額療養費制度」とは、医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分があとから払い戻される健康保険の制度です。
もっとも、あとから払い戻されるとわかっていても、大きな支払いは負担になりますし、何よりも治療明けの疲れた体で払い戻しの手続を行うのは、なかなか大変です。
そこで「限度額適用認定証」が登場します。
事前に「限度額適用認定証」を用意しておくことで、窓口での支払金額が自動的に「一定の金額」に抑えられ、あとの手続きが不要になるのです。
高額療養費制度、また「一定の金額」について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。
実際に取得するまで
以下では実際に「限度額適用認定証」を申請、入手し、実際に使った体験をご紹介していきます。
私の場合は、長い治療計画の中に「手術入院」が盛り込まれていたことから、それを見越して早めに準備をしてきました。
これらの手続は、会社経由ではなく、自分で行っていくことになります。
最初にしたのは、「限度額適用認定証」の申請書の記入です。
「産業保健新聞」を運営するドクタートラストが加入している協会けんぽのウェブサイトで「健康保険 限度額適用認定 申請書」をダウンロードし、必要事項を記入していきました。
この際に求められる情報は、名前や住所のほか、被保険者証(いわゆる保険証)の「記号」や「番号」などです。
手元に保険証さえあれば入力はさくさくと進んでいきます。
申請書が完了後は、協会けんぽの都道府県支部に郵送します。
一連の流れについては、加入先にかかわらずほぼ同様と思いますが、念のため、加入先(健康保険組合、協会けんぽ、または市町村)のウェブサイトなどで確認を行ってください。
「限度額適用認定証」が手元に届いたのは、申請書を投函してからおよそ1週間後のこと。
これで申請手続は完了です。
ちなみに「限度額適用認定証」の有効期間は1年間。
年単位での継続的な利用が想定されている場合は、毎年申請を行いましょう。
いよいよ入院、そしてお会計へ
いそしていよいよ入院当日です。
病院によって相違あると思いますが、お世話になった病院では、入院窓口で「保険証」と「限度額適用認定証」を提示しました。
実はこれで「限度額適用認定証」の出番は終わり。
手術を経て、無事退院となり、荷造りを終えて会計窓口へと向かいます。
渡された費用の明細を確認したところ……高額療養費制度が適用され、一定の金額以内に収まっていました。
なお、入院時に高額療養費制度の対象となるのは、治療や手術にかかる費用のみです(健康保険が適用される範囲と同じです)。
そのため、入院中の食費負担分、個室などを選択したために発生する差額ベッド代などは実費での支払いになります。
私の体験からもわかるように「限度額適用認定証」の取得方法は非常にシンプルです。
また、実際に使用する際も、「保険証にプラス1枚」呈示するだけで済みます。
使用場面はないに越したことはありません。
ただ、なんらかの理由で入院することになった場合は、時間のあるうちに「限度額適用認定証」の申請手続きを行っておくことをおススメします!