生理前だけ鬱になる?男性にも知ってほしい女性の「PMDD」

女性の皆さん、こんな経験はありませんか?
「生理前にひどくイライラして職場や家庭で周囲に当たってしまう」
「生理前に強い不安に襲われて涙が止まらなくなったり、死にたくなったりする」
「生理前にひどく疲れやすくなって仕事も何も手がつかなくなり寝込んでしまう」

また男性の皆さんはこんな経験はありませんか?
「普段は穏やかな女性が定期的にイライラと怒りっぽくなることがある」
「普段は明るい女性が定期的に落ち込んで泣き出したり、情緒不安定になったりする」
「普段は元気な女性が定期的にひどく疲れた様子で、仕事の効率が落ちていることがある」

これらは、女性の月経前不快気分障害(PMDD)が原因である可能性があります。
生理前限定のうつ病ともよばれるPMDDについて、今回はご紹介します。

月経前不快気分障害(PMDD)とは

女性ホルモンの変化が原因と考えられている月経前症候群(PMS)をご存知でしょうか。
月経前に身体症状のほか、うつ病やパニック症などの精神障害がないにもかかわらず精神症状があらわれる状態を指します。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

月経前不快気分障害(PMDD)はPMSの中でも精神症状が特に酷く、仕事や日常生活に支障をきたす状態を指し、具体的には以下のような症状があらわれます。

・著しく情緒不安定になり感情のコントロールができない
・激しくイライラしたり怒りっぽくなったりして、対人関係に影響を及ぼす
・ひどく気分が落ち込み、絶望感や自己否定感を覚える
・強い不安や緊張を感じる
・仕事や趣味や友人との付き合いなどに興味がなくなる
・集中力が低下し仕事の効率が落ちる
・疲れやすさや強い倦怠感、気力の低下を感じる
・食欲に波が生じ、過食や特定の食べ物ばかりを食べたくなる
・過眠や不眠に陥る など

このような症状が原因でトラブルが起こってしまうと、トラブルを起こした方はご自身を責めたり、自己嫌悪に陥ったり、あるいは周囲がトラブルを起こす女性に対して悪い印象を持ってしまったりすることが考えられます。
しかし、その女性の人間性が悪いわけではなく、PMDDの症状によってトラブルが起きている可能性があるということを、ご自身も周囲も理解する必要があります。

症状に悩む女性へ

毎月とても辛い思いをされていることと思います。
無理をせず、次のような方法を試してみることがおすすめです。

◆食生活の見直し

脂肪分、塩分、糖分を控える
カフェイン、アルコール、タバコなどの刺激物を避ける
バランスよく食べる
大豆製品を摂取する

◆充分な休養とリラクゼーション

しっかり睡眠をとる
半身浴やマッサージをする
お気に入りのアロマを楽しむ
リラックスできる趣味の時間を増やす
ストレスをためない
体を冷やさずあたためる

◆適度な運動

軽い有酸素運動
ストレッチ
ヨガ

◆仕事での工夫

不調に陥っている自分を責めない
生理前に無理なスケジュールが重ならないようあらかじめ仕事を調整する
仕事の合間にストレッチをしたり、少し外に出て深呼吸をしたりして息抜きする
残業は控えて早めに帰って休む
ミスがないか丁寧にチェックし、不安なときは周囲にダブルチェックを依頼する
症状が重くて我慢できないときには無理せず休む

また、どうしても不調が続くようであれば、我慢せずに婦人科で相談するのも、ひとつの方法です。

男性を含む周囲の方へ

PMDDに限った話ではありませんが、何か困っていたりトラブルを起こしたりしている方に対して、その人の人間性が悪いと決めつけてしまうのではなく、背景に潜んでいるかもしれない原因を想像し、理解や思いやりを示すことが大切です。

もし、職場に調子が悪そうな女性がいたら、

・ 何か手伝える仕事はないか聞く
・ 辛そうなときは少し休憩することをすすめる
・ イライラしていそうなときは少し時間をおいてから声をかける
・ 産業医や産業保健師への相談をすすめる

などの周囲の理解や助けによって、PMDDの辛さはだいぶ緩和されます。
女性特有の健康問題だからと女性だけの問題にしてしまうのではなく、男性も含め、会社全体で取り組む問題として考えていただきたいです。

ドクタートラストではこうした女性の健康問題について、女性ご自身からのご相談のほか、人事のご担当者様からのご相談にも経験豊富な保健師が親身に対応させていただいております。
また貴社のご状況に合わせた女性の健康に関するセミナーの開催も可能です。
何か少しでも気になることがある際には、まずはお気軽にお問合せくださいね。

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北原梨英株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学を卒業後、保健師として活動するほか、健康経営エキスパートアドバイザーとしてさまざまな企業様の健康経営を支援してきました。現在はセミナーのご依頼が最も多く、得意とする女性の健康増進と活躍推進をはじめ、多くのテーマでお話をしております。「従業員に長く健康に働き続けてほしい」「健康経営に取り組みたい」「健康経営優良法人の認定を目指したい」などお悩みがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。どのようなご状況の企業様にも親身に寄り添って、今すぐできることからご提案し、一緒に取り組んでいくことをお約束いたします。
【保有資格】保健師、健康経営エキスパートアドバイザー、看護師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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