本格的な夏のシーズンが近づきつつある中で厚生労働省は、職場における熱中症予防対策の一層の推進を図るため、4月を準備期間、5月から9月までを実施期間と定めて「クールワークキャンペーン」を実施します。
「クールワークキャンペーン」とはどんなものであるのか、詳しくみていきましょう。
STOP!熱中症 クールワークキャンペーンとは
クールワークキャンペーンとは、一言でいうと職場内の熱中症被害をなくすための取り組みです。
第12次労働災害防止計画(平成25年~平成29年)では、職場における熱中症について、その前の第11次労働災害防止計画(平成20年~平成24年)の5年間と比較して、死傷者の数を20%以上減少させると目標が設定されています。
しかし、平成29年1月現在の速報値までで1,879件となり、すでに第11次労働災害防止計画の5年間の発生件数である1,948件の95%に達し、あと1年を残して、目標件数の目安となる1,558件を超えてしまっている状況です。
そんな中で、厚生労働省は第12 次労働災害防止計画の最終年である今年、事業場における責任体制の確立を含めた熱中症予防対策の徹底を図ることを目的とし、職場における熱中症による労働災害の大幅減少、特に死亡災害ゼロを目指します。
職場での対策はもちろん、各個人でも気を付け対策をする必要があるでしょう。
職場内での熱中症対策
夏の職場では熱中症が多発します。
無理をせず、3つの管理で対策をしていくことが大切です。
1.作業環境管理
① 屋内に熱や水蒸気の発生源がある場合は、除去、縮小化、密閉化し、屋外では日陰を求め、ない場合は作る。空調やスポットクーラーを置き、温度が28℃以上にならないようにする。
② 蒸気や熱気などはフードなどで誘導・排気する。
③ 太陽の熱など輻射熱は断熱材で遮断する。屋内では窓にフィルター、すだれやブラインドを設置する。
2.作業管理
① 作業負担を少なくし、熱い物体や光線から離すか、遮蔽(しゃへい)物を設置する。
② 休憩は日陰で、風通しの良いところを選び、こまめに取る。
③ 水分および塩分の補給を計画的におこなう。ナトリウムを含む飲料を取る。
④ とくに発汗が多い場合は、経口補水液を摂取する。
⑤ 服装は、通気性が良い素材の白系の色を選ぶ。
3.健康管理
① 睡眠不足や、下痢、発熱による脱水症状がある場合は作業を控える。
② 終業後、多量の発汗をともなう活動を避ける。十分な食事、休養、睡眠をとり、その日のうちに体温を下げる。
今年も猛暑が予想されている中、本格的な夏の前に健康管理をしていくことが大切です。