高年齢労働者の労災を防ぐために~エイジアクション100~

高齢化進む社会、高年齢者の労働人口は年々増え続けています。
定年の引上げや、年金受給年齢も引き上げられるなど、日本人は生涯現役社会を国から求められているのが現状です。
そんななかで、あなたの会社は高年齢者の労働環境について、考えられていますか?
今回は「エイジアクション100」をご紹介します。

労災の約50%が高年齢者

厚生労働省の調査によると、労働災害の発生数の約半分を50歳以上の高年齢層が占めているそうです。
知識や経験、スキルが豊富でも、身体が思うように動かなくなってしまうのが人間というもの。
高年齢者の従業員をただの「労働力」ではなく、「会社の戦力」としてあり続けさせるには、高年齢者層に合わせた職場環境のチェックが必要です。
そこで、中央労働災害防止協会(以下、「中災防」)が打ち出したのが「エイジアクション100」です。

エイジアクション100

「エイジアクション100」は、高年齢労働者の安全と健康確保のための100の取り組み(エイジアクション)を盛り込んだチェックリストを活用して、職場の課題を洗い出し、改善に向けての取り組みを進めるための「職場改善ツール」です。
中災防の公式サイトで配布されており、どなたでも無料でご利用いだたけます。

参考:中災防「エイジアクション100」

エイジアクション100のチェック項目は、「転倒防止」や「視覚環境の整備」(掲示物は見やすいかなど)といった即時的な職場環境改善もあれば、「転倒・腰痛等の予防のための体力測定・運動指導」「がんの教育と検診」など身体的な不調の予防を行っているかなどもあり、多岐に渡ります。
このチェックを半年~1年に一度行い、前回からどのような変化があったのか、どこが改善され、どういう部分がまだ不足していたかなどを繰り返すことにより、職場環境を改善していきます。
その際、産業医や外部のサービスなどにチェック結果を確認してもらい、アドバイスをもらうことも非常に有効です。
また、安全衛生管理者や安全衛生推進者がいる職場であれば、その方たちが、いないようであれば別途担当者を設けましょう。

なお、公式サイトではチェック結果で改善が必要となった場合の取り組み例をまとめているリストまで用意されています!
チェック終了後には、ぜひそちらも参考にしてくださいね。

労働災害が起こる前に…

若い頃であればなんてことのなかった転倒が、一大事になりかねないのが年を取るということ。
加齢は避けられるものではなく、また、これからはどんどん働く人の高齢化も進んでいきます。
なんの対策もせずにほったらかしにしてしまって労災が起こるよりも前に、きちんとチェックと改善を行い、何歳になっても戦力として安心して働きつづける会社を目指していきましょう。

<参考>
中央労働災害防止協会「エイジアクション100」

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