企業担当者が頭を悩ます男性の育休取得を解析!
- 2020/2/26
- 採用
「イクメン」や「イクボス」といった言葉が生まれてしばらく経ちますが、どうもそれほど世間に浸透していない気がしませんか……?
私の周りでもパパが育休を取得して、積極的に育児に参加しているな!という印象は薄いように思われます。
育休を取ったとしても、産後のわずか1週間~2週間。
もしかしたらその期間、ママはまだ産後入院中だったりするのでは。
実際にパパの手助けが必要となるのは、もしかしたら毎日早く帰って初めての育児にてんやわんわしているママのフォローをしてあげることなのかもしれないですよね。
でもご家庭によっては近隣にお住いのご両親がフォローに入ってくれる場合もあり、必要な手助けもフォローの割合も違います。
お子さんが生まれて、一層がんばるぞ!と燃えているパパさんたち。
これまでより仕事を頑張りたいという気持ちと、奥さんのフォローをしてあげたい、可愛い我が子の面倒を見てあげたい……。
いろいろな気持ちがあるかと思います。
今回は、どうすれば男性社員が育児休暇を有効活用し、また取得しやすくなるのかを考えてみました。
まず、男性が育児休暇の取得をためらう理由とは
男性の育休取得の妨げとなっている要因は数多ありますが、やはり「前例が少ない」という点が大きく上げられると考えられます。
「育児休暇制度の正しい取得の仕方って?」
「乳幼児との正しい接し方は? 家事って何をどうすれば効率的なの?」
「長期的な育休、もしくは短時間労働で仕事をして、その後の自分のキャリアプランはどうなる?」
正直なところ、キャリアプランに関わる疑問が一番のネックになっている気がしますよね。
そんな新米パパの疑問を解消してあげられる知識を持った方が身近に、もしくは社内にいると、きっと安心すると思います!
逆を言えば、企業担当者がどんなに制度の取得を推奨しても、不安点が消えない限り、制度取得の一歩を踏み出すのはなかなか足が重いのではないでしょうか。
実例のある施策とフォロー制度を紹介します!
・ 本年もイクボスで表彰、アイシン精機株式会社
アイシン精機の特徴としては、「ママ・パパ・イクボスガイド」という男性社員へ育児制度の紹介を目的とした社内誌を発行しています。
これは、全社的に取り組んでいることへのアピールにもつながり、新米パパたちが安心して制度を活用できる一助にもなっていると思われます。
・ キャリア支援に力を入れている、イーソル株式会社
「育児と仕事の両立ガイドブック」を社内で共有。
アイシン精機と同じく、育児制度についての理解促進を図り、面談を通じて制度を活用した場合のキャリアを上長と共に考えていく面談の場が設けられています。
育児休暇のみではなく、フレックス対応が取れ入れられているところが、長期的な育児支援となっている点が大きな特徴ですね。
・ 上司からの働きかけが印象的、芙蓉総合リース株式会社
男性の育休取得率100%に向けた取り組みのなかで他社との違いを感じた部分として、「管理職と若手社員の意識改革を目的としたセミナー」の実施があげられます。
このセミナーを実施してから男性職員の育休取得率が飛躍的に上がったとのことなので、やはり企業が継続して従業員の意識改革を行うことは大きな役割を担っているといえます。
また、実際に管理職にいる男性職員の育休取得率が高いことも特徴的でした。
これは、次世代のパパたちが育休制度を取りやすくするための布石にもなりますね。
制度を充実させることで企業に還ってくるメリット
今回は国内のさまざまな業種の企業で取り組んでいる男性職員の育休取得について調べてみました。
その中で、実際に制度を活用してみた男性職員、制度に懐疑的な男性の意見も多数目にし、男性の育児休暇取得に対するメリットデメリットが見えてきたように思います。
デメリットとして挙げられるのは、やはり「キャリアプラン」や長期の育休取得に伴う「給与面」への不安でした。
家族が増え、養わなければならないという使命を持ったパパたちだからこそ感じる危機感ですね。
やはり企業担当者はその2点をクリアさせることが課題となってまいります。
今度は逆にメリットを挙げてみます。
・ 新入社員のエントリー数の増加、定着率
・ 企業への帰属意識、還元率の意識改革
少子化が進む現代において、人材の確保と優秀な人材の流出を防ぐことは、今現在企業にとって必須であり急務で取り組む課題です。
上記2点は、男性の育休取得で有名な企業では、顕著に表れている特徴ともいえます。
現在の働き手となる方の多くが「福利厚生」を重視している点を鑑みても、「新卒のエントリー数」に影響が出ることは理解できます。
また、育児休暇を取得、または時短勤務を経て職場に復帰した男性職員の多くが、「育児休暇制度に好意的、かつ、今後の企業としての取り組み方への改善点を強く意識」している点が、企業がこの制度に意識的に取り組む意義につながってくるかと思います。