70歳までの就業確保、中途採用の情報公開が2021年より適用開始
- 2020/1/15
- 産保新聞ニュース
2020年1月8日、労働政策審議会で「70歳までの就業確保に関する努力義務」「中途採用情報公開の義務」が了承されました。
以下では、それぞれの背景と内容を見ていきます。
高年齢者雇用安定法の改正~背景と内容~
高年齢者の労働力人口や就業率は増加傾向にあり、65歳以上の人たちの就労に対する意向を踏まえると、個々のニーズや状況に応じたさらなる整備が求められています。(努力義務)
高年齢者雇用安定法の改正内容
65~70歳の定年を定めている企業は、次のいずれかの措置を講じることで、現在雇用している労働者について、70歳までの安定した雇用を確保するように努めなければいけません。
① 定年の引き上げ
② 65歳以上の継続雇用制度の導入
③ 定年の廃止
④ 創業支援の措置
上記のうち、④の創業支援措置とは、次のようなものをいいます。
・ 定年後に委託契約を結ぶ制度(フリーランス)
・ 不特定勝多数の人の利益にかかる業務に従事できる制度(会社が実施する事業・会社が委託した、または資金提供した団体が実施する事業)
また、上記以外に、定年後は別の企業で雇用されるというものでもよいとされています。
高年齢者就業確保措置や創業支援措置の実務運用面に関する指針も別途定められる見通しです。
労働政策推進法の改正~背景と内容~
現在、中途採用による人材確保のニーズは高まりつつあります。
また、中途採用者も増加傾向にあるものの、企業規模が大きいほど中途採用比率は低いという現実があり、中途採用に関する環境が求められています。
労働政策推進法の改正内容
常時雇用する労働者の数が300人を超える企業は、雇入れた労働者に占める中途採用者の割合を定期的に公表しなくてはいけません。(一定規模以上の企業の義務)
また、国は自主的な公表が促進されるよう、必要な支援を講じていきます。
今後の見通し
今回ご紹介した2つの改正は、今後、通常国会に提出されます。
両改正ともに2021年4月より適用される見通しです。