総務省消防庁の報告によれば、2019年7月29日~8月4日までの一週間に熱中症で救急搬送されたのは18,347人にのぼりました。
この数字は昨年同時期の1.5倍、さらに前週の2019年7月22日~7月28日から一気に3倍以上に増えています。
また気象庁のデータによれば、7月25日以降、平均気温が連日28度を超えています。
7月29日から8月4日の一週間で搬送された人の年齢構成は以下の通りです。
65歳以上の高齢者:9,963人
18歳以上65歳未満:6,474人
7歳以上18歳未満:1,764人
乳幼児:143人
高齢者が全体の半数を超えて最も多いですが、働き盛りの皆さんの年代で搬送されている人も決して少なくありません。
また驚くことに、熱中症の搬送発生場所として一番多かったのは「住居」で7,525人。
8月1日から4日までのわずか4日間でも、都内で高齢者の男女19名が死亡しており、いずれもエアコンの不使用が原因だったそうです。
今回は、熱中症に関して、特に注意してもらいたポイントをご紹介します。
エアコンを積極的に使いましょう
「エアコンって身体に悪い」
「電気代がかかる」
「つけっぱなしにするとだるくなる」
こんなイメージを持っている方もいるかと思います。
しかし連日の猛暑、「ギリギリまで我慢する」で耐えられるような気温ではありません。
特に風通しが悪い、また日当たりのいい部屋では、外気温よりも室温が高くなっているともいわれています。
エアコンは惜しまず使うようにしましょう!
健康的にエアコンを使うために、以下をご確認ください。
・ 冷えすぎないようこまめに温度調節しましょう
・ スイッチのオンオフを繰り返したり、高くなった室温を何度も下げようとすると、かえって電気代がかかります。部屋が十分冷えたら設定温度を調整し、過ごしやすい快適な温度を保つようにしましょう
・ 扇風機等を併用して、風で部屋を涼しくしてみましょう。風を感じると、体感温度が下がります。また、エアコンの設定温度を下げる前に、風量を強くして調整してみてください。
屋外での作業や通勤、移動時も気を付けよう
住居での熱中症搬送が多いと前述しましたが、工事現場や工場、屋外での仕事、道路等の屋外での発生は、7,600人以上と多く、やはり屋外での熱中症対策も重要です。
通勤時や外回り時にも熱中症の危険が迫ってきます。
このようなときの熱中症対策方法をお伝えします。
効率的な水分/電解質を補給
汗をかいた肌がしょっぱいという経験はありませんか?
しょっぱい原因は「ナトリウム」。
つまり汗をかくと、水分だけでなく体内のナトリウムが失われるというわけです。
熱中症対策には、塩分と糖分を含んだ水分補給で、効率的に失われた電解質を補給しましょう。
冷やす部位は「首」「わきの下」「太ももの付け根」
これらの部位は皮膚のすぐ近くに太い血管が通っています。
ハンドタオルを濡らすなどして、これら3部位を冷やすことで、効率的に身体全体を冷やしましょう。
露出した皮膚に冷水をかけて、扇風機やうちわで冷やすのも効果的です。
特に身体にほてり、だるさがあるときは、急速に身体を冷やすために、これらの方法を試してみてはいかがでしょうか。
直射日光を浴びないようにしましょう
風通しの良い日陰や、クーラーがきいている室内へ移動をしましょう。
また、通気性のよい服装、帽子や日傘の使用も望ましいでしょう。
最近では、男性用の日傘も販売されています。
日傘に抵抗がある方も、一本傘をさすだけで、熱を下げ、汗の量を減らしてくれるのでお試しください。
引き続き熱中症に警戒が必要
7月の中旬までは、雨の日が続き比較的涼しい日が続いていました。
しかし先週から全国各地で急激に温度変化があり、日差しも強く、外に出るだけで疲れる方も少なくないのではないでしょうか。
これからもしばらく暑い日が続く見込みです。
「少し休めば大丈夫だろう」と自己判断せず、熱中症予防は引き続き行うようにしてください。
<参考>
総務省消防庁「熱中症情報」